日別アーカイブ: 2024年11月4日

『動物とふれあう仕事がしたい』

花園誠編著『動物とふれあう仕事がしたい』(岩波ジュニア新書,2003)を読む。
中高生向けに、獣医師や動物園_水族館の飼育員だけでなく、動物看護師や愛玩動物飼養管理士、ハンドラー、乗馬療法指導者など、畜産以外の動物に関わる仕事が紹介されている。

ちょうど刊行と同時期の2002年に、帝京科学大学にアニマルサイエンス学科が開設されている。帝京大学の教員も何本か執筆しており、「人間と動物の共生」を謳う帝京大学アニマル〜学科に設置されたコース(アニマルサイエンスコース、アニマルセラピーコース、野生動物コース、動物看護福祉コース)と本書の章立てが見事に一致している。

上野動物園や多摩動物園の飼育員になりたい場合は、東京都の「畜産職」枠での採用となるため、畜産や生物の知識が必要となる。東京都との令和6年度採用要項をみると、事務555人、土木65人などに対し、畜産は2人と狭き門となっている。

また、獣医学はアメリカが世界の最先端であり、世界中から優秀な獣医が集まって切磋琢磨している環境がある。

昨年より、ニューヨークでは警察犬の代わりにAIロボット犬が導入されている。「心の癒し」を提供する動物と冷静無比なAIとは真逆なものであるが、AIの発達によって犬のもつ組織的性格は代用されてしまうのであろうか。

『恋愛の国のアリス』

嶽本野ばら『恋愛の国のアリス』(朝日新聞社,2004)をパラパラと読む。
前半は朝日新聞に連載された恋愛に関するコラムがまとめられている。
後半は女性誌「KERA(ケラ!)マニアックス」に掲載された内容で、趣旨が分からなかった。
パラパラと読んだだけだが、興味を引いた内容があったので紹介しておきたい。

女子は(男子が恋愛で口にするような)「傷つけたくないから」なんてことは滅多に口にしません。それは傷付くことのリスクを承知で、常に恋愛しているからです。相手を傷付けることになっても、勝手に向こうが好きになってきて自爆して傷付いた場合でも、女子は自分の加害者としての立場を受け止めます。恋愛に於いて男子は何時も最後までいい訳するが、女子はどんな時でも最初から開き直っている。(中略)恋に堕ちてしまったならば、女子は狡いこともいっぱいしますが、基本的には特攻の精神で腹を括るのです。恋愛が修羅場になれば男子より女子の方が肝が据わるといわれますが、恋愛に突入した時点で既に女子はどういう結末になろうが全ての責任は自分にあると決めているのです(後略)

殆どの男子には気になる異性が現れても、外見的な変化が起こりません。(中略)男のコが、見違えるようになったと誉められるれるのは、人の意見をそのまま取り入れる場合に限られます。(中略)

女子は恋をしたならば、恋愛の情を栄養源にして自分で自分を磨いていけます。(中略)女のコの容姿や仕草が恋愛で磨かれる理由(中略)貴方の体内には貴方を映しだす鏡が存在するのです。恋をしていない時は、鏡の中の自分に興味を示さない。しかし、一度恋愛すると貴方は無意識にその鏡を眺め(中略)鏡と向き合い、ああでもない、こうでもないと試行錯誤するうち、自然と貴方は昨日の貴方よりも綺麗になっているのです。

この体内鏡を男のコは持っていません。(中略)これは女子は皆、オリジナルの美しさを手に出来るのに、男子はオリジナルのカッコ良さを得ることが難しいという男子には厳しい摂理を導き出します。