本日の東京新聞朝刊に、東京都の下水処理施設で、汚泥から肥料に用いられるリンを取り出す実証実験が始まるとの記事が掲載されていた。リンはトマトやナス、キュウリなどの果菜類の生育に欠かせない肥料である。ちょうど国内で栽培・消費されている野菜なので、肥料の自給化は食料安全保障の観点からも、今回の実験は成功してほしい。
昭和30年代までは、日本全国で肥溜めを活用していた。日本人のリサイクルの根底を成す部分である。リンや窒素が海洋に流れ込むと、富栄養化で植物プランクトンが大量に発生し、赤潮や青潮、アオコの原因ともなる。日本の漁業は沿岸部での養殖漁業が支えている。今回の取り組みは農業だけでなく、漁業にとっても福音となるであろう。