宮台真司・飯田哲也『原発社会からの離脱:自然エネルギーと共同体自治に向けて』(講談社現代新書 2011)をパラパラと読む。
原発や戦争など、一度動き出したら内の人の都合で暴走してしまう日本社会の病理に切り込んでいく。飯田さんは京都大工学部原子核工学科出身で、いわゆる「原子力村」の中心にいた人物である。原子力村というと経済産業省と電力会社が一体となって原発をゴリ押ししてきたというイメージがあるが、政治家にも霞ヶ関にも電力会社にも経済的な観点から原発反対の勢力がいたとの報告があった。しかし、そうした声を遠ざけて採算の目論みのない原発に傾倒していった日本人の頭の悪さを指摘する。