古内東子『会えないときこそきれいでいよう』(幻冬舎 1998)を卒読する。
著者は1972年生まれのシンガーソングライターである。名前は聞いたことがあるような気がするが、実際にはほとんど知らない方である。構成作家がいるので、ほとんどは編集者の手によるものであろうか、ちょっとまとまりすぎな感じの構成が気になった。
ラジオが友達だったというエピソードなど、同世代がということで共感を読んだ。ラジオを通して、自分自身の内側から湧き出る思いなど、自分たちより下の世代にはない感覚である。また、現在から見ると極めて昭和的な感覚で育った団塊ジュニア世代は、90年代以降は急に価値観が大きく揺らいだ20代を過ごすことになった。経済成長著しい中、古い価値観の中で育ちながら、バブルが弾け、新しい価値観の世の中を生きることになった団塊ジュニア世代の悲哀といったものすら感じてしまう。
母がいないと何もできない父。そんな父を立て、支えている母を見ると、いいなあと思ってしまう。たてえ自分が仕事をしていたとしても、好きな男性のいちばんの理解者であり陰で支える女でありたい。女とはそういうものぞ、と考えているところがどこかにある。
なんて古風な、日本女性的な発想なんだろうと思う。でもそう思っている自分を、否定するつもりもないし、特別だとも思っていない。実際にそうするかどうかは別にしても、日本の女性である以上、私のような