月別アーカイブ: 2022年10月

「神様も自撮り」

本日の東京新聞夕刊に、インド・ニューデリーで開催されたヒンズー教の祭りの一コマが紹介されていた。ヒンズー教はインドで8億人が信仰する宗教である。ヒンズー教はキリスト教のイエスキリストや仏教のお釈迦さまのように特定の開祖を持たない民間信仰である。また多神教であり、人間の生活全般を規定する制度や法制、習俗など、日本でいうところの朱子学(儒教)に近い。

写真を見てもわかるように、日本の七福神(大黒天〈だいこくてん〉、毘沙門天〈びしゃもんてん〉、恵比寿天〈えびすてん〉、寿老人〈じゅろうじん〉、福禄寿〈ふくろくじゅ〉、弁財天〈べんざいてん〉、布袋尊〈ほていそん〉)に極めて似ている。実は七福神はヒンズー教の神が仏教に帰依して神様になったという設定なのだ。まさに元祖カレーライスのような存在なのである。皆さんの中にも、鎌倉への修学旅行で銭洗弁財天に行ったことがある人もいるかもしれない。ヒンズー教と仏教の双方の寛容な姿勢が垣間見えてくる。

 

『英語辞書を使いこなそう』

浜野実『英語辞書を使いこなそう』(岩波ジュニア新書 1999)を手に取ってみた。
高校教諭の著者なので、高校での英語の授業の応用編のような内容となっている。最後に著者は次のように述べる。

紙の辞書がこの世から消滅するようなことはないでしょう。電子辞書やCD-ROMに比べ、たしかに重くて、場所をとり、検索に手間がかかることは間違いありませんが、何というか、古来からの人間と紙の関係は、切っても切れないものであり、もともと人間は、紙が大好きなのです。紙の肌触りといい、紙のにおいといい、何か心を落ち着かせてくれるものです。
紙の辞書は紙の辞書で、’user-friendly’を合いことばにさらに改良され、私たちの英語学習の心強い味方となってくれるでしょう。

ペーパーレス、キャッシュレスの現在において、著者の言葉はすでに懐かしいものに感じる。果たして人間と紙の関係はどうなるのであろうか。

『英単語に強くなる』

林信孝『英単語に強くなる』(岩波ジュニア新書 1995)を手に取ってみた。
語源に関する本である。数百の英単語に共通する40語のラテン語の語根が紹介されている。
ラテン語はローマの公用語であった。ではラテンがどこから来ているのかというと、ローマ市内にあるラティウムと呼ばれる小さな丘のあたりで話されていたマイナーな言語であったようだ。そのラテン語由来の言語が世界を覆い尽くしている。いかにローマが言語だけでなく、世界標準の政治や技術を生み出してきたかということの証左ともなっている。

『プラチナデータ』

東野圭吾『プラチナデータ』(幻冬社文庫 2012)を朝方までかかって読んだ。
冒頭から一気に作品世界に引き込まれていく。DNAデータの管理、天才的数学者、多重人格者、米国から送り込まれた女スパイと一つだけでも十分に作品のモチーフとなるようなものが、次から次へと登場してくる。
最後はSF小説ではなく、刑事ドラマミステリーという枠に収まったが、作品前半のワクワク感はたまらない。

『新しい英文リスニング』

天満美智子『新しい英文リスニング』(岩波ジュニア新書 2000)を少しだけ読む。
CDシングルが付属しており、CDに録音された会話を聞き取るという本のなので、CDを聴く機器を持っていないので、序文と跋文だけ読んだ。リスニングのコツは単語一語一語を聞き取ろうとするのではなく、会話にリズムを聞き取るのだという、分かったような分からないような結論であった。