浜野実『英語辞書を使いこなそう』(岩波ジュニア新書 1999)を手に取ってみた。
高校教諭の著者なので、高校での英語の授業の応用編のような内容となっている。最後に著者は次のように述べる。
紙の辞書がこの世から消滅するようなことはないでしょう。電子辞書やCD-ROMに比べ、たしかに重くて、場所をとり、検索に手間がかかることは間違いありませんが、何というか、古来からの人間と紙の関係は、切っても切れないものであり、もともと人間は、紙が大好きなのです。紙の肌触りといい、紙のにおいといい、何か心を落ち着かせてくれるものです。
紙の辞書は紙の辞書で、’user-friendly’を合いことばにさらに改良され、私たちの英語学習の心強い味方となってくれるでしょう。
ペーパーレス、キャッシュレスの現在において、著者の言葉はすでに懐かしいものに感じる。果たして人間と紙の関係はどうなるのであろうか。