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「オマーン 米制裁下 イラン経済下支え」

本日の東京新聞の記事は興味深かった。
ペルシア湾を隔ててイランとオマーンが経済的に蜜月関係にあるという内容である。オマーンは面積約31万平方キロメートル、人口450万人、原油や天然ガスに恵まれ、一人当たりのGDPは18,970ドル(2019年 IMF統計)とかなり高い数値となっている。

記事では触れていないが、オマーンはイスラム教のイバード派が多数を占めている。Wikipediaによると、イバード派は「預言者ムハンマドが死亡してから約20年後の650年頃、またはスンナ派とシーア派の両方に先んじて興った」とあり、スンナ派のサウジアラビアとシーア派のイランの対立に巻き込まれていない。そうした点もギクシャクした中東において、オマーンが中立的な立場を保持できる要因なのであろう。

授業の中でも全く触れず仕舞いだったが、中東政治を語る上でオマーンの存在は外せないね。

『日本の国境』

山田吉彦『日本の国境』(新潮新書 2005)を読む。
著者は日本財団に勤務しており、実際に沖ノ鳥島や大東諸島など、国境に近い島を訪れている。知識ばかりに流れがちな本が多い中で、そうした体験談は面白かった。

日本は、東は南鳥島から西は与那国島まで3143キロメートル。北は択捉島から南は沖ノ鳥島まで3020キロメートル。同じ国内でありながら、南北間の冬季における平均気温差は、摂氏30度にもなり、亜寒帯から熱帯まで、幅広い気候区分を持っている。同じ季節に氷の妖精クリオネが舞う流氷の海と、色鮮やかなチョウチョウウオやクマノミが泳ぐサンゴ礁の海を見ることができる、多くの生態系をもった自然豊かな国なのである。

但し、沖ノ鳥島は以前は北露岩、東露岩と呼ばれていたもので、高潮時には、北小島は16センチ、東小島は6センチだけ水面上に頭を出すとても小さな島である。

また、日本近海の大陸棚にはマンガン団塊やメタンハイドレート、コバルト・リッチ・クラストなどの海底資源が埋蔵されており、メタンハイドレートについては、日本の天然ガス消費量jの100年分のメタンがあるといわれている。但し、ある地質学者は「おそらく大陸棚には10兆円相当の資源があるだろう。しかし、今の技術で、それを掘るには10兆円以上のかかるんじゃないかな」と話している。

「中国、ラオスへ高速鉄道」

本日の東京新聞朝刊記事より。
記事にも書かれている通り、中国とラオスを結ぶ鉄道というよりも、中国からタイを抜けて南シナ海へ通じるルートの建設という意味合いが強い。ラオスは約60億ドルもの大金を払うが、それはラオスの建設業界ではなく、中国企業に落ちる仕組みとなっている。

「中国 ワクチン外交加速 アフリカへ10億回分追加」

今日の授業で大体のクラスの発表が終了となった。アフリカを取り上げる班が多いように感じた。とりわけアフリカに蔓延る貧困や格差、差別など、正直これといった方策を提示することができないテーマが続いた。

本日の東京新聞朝刊では、中国のワクチン外交の模様が取り上げられていた。日本の諺にある「ただより安いものはない」という事例を地で行くような話である。「背に腹は代えられない」とも言うが、中国のインフラ投資と一体となった無償のワクチンは、毒饅頭なのか、それとも