月別アーカイブ: 2020年11月

『昭和30〜40年代生まれはなぜ自殺に向かうのか』

小田切陽一『昭和30〜40年代生まれはなぜ自殺に向かうのか』(講談社+α新書 2011)を読む。
著者は公衆衛生学を専門としており、統計学の手法を用いて自殺と地域別特性や経済との相関関係を明らかにしようとしているのだが、経済が悪化すれば自殺が増える、高齢者の多い地方ほど自殺率が高くなるといった当たり前の結論しか用意されておらず、あまり面白いものではなかった。企画倒れといった内容だ。

(前略)フランスの社会学者であるエミール・デュルケームの『自殺論』を引用して、この世代の自殺特徴を「アノミー的自殺」と解説しています。
アノミー的自殺とは、戦後の動乱期から脱し始めた急激な社会変化の時期に、社会的規制を失い、より多くの自由が獲得された結果、その自由に対応しきれずに自殺してしまうというものです。

久しぶりのショップライド

春日部一周ライドに出かけた。整備不良のマウンテンバイクだったので、距離は走ってないが、疲れが少し出た。結局はスプロケット自体の精度が出ていないのが原因であった。シマノの純正品に替えたら、何の問題も無くなった。

「カシミールで印パ両軍砲撃」

本日の東京新聞に、国境が確定していないカシミール地方の領有を巡って、インドとパキスタンの衝突があったとの記事が掲載されていた。いつも通りの内容なので新鮮味を感じないが、米国の外交が空白期間に入るので、これ以上の拡大は歯止めが効かなくなる畏れがある。

記事の中でインドのモディ首相のコメントが取り上げられている。授業中に触れたが、ナレンドラ・モディ首相はカースト制度で一番下のダリッド階級(不可触民)出身の人物である。それ故に、ヒンドゥー教至上主義を掲げ、中国やパキスタンに対し強硬な態度で臨むことで愛国心を訴求している。就任7年目を迎えるが、いまだに高い支持率を得ている。中国の拡大主義には注意をしたいが、インドの軍事大国化にも関心を持っていきたい。

『人妻浪漫』

牧村僚『人妻浪漫』(双葉文庫 2006)をパラパラと読む。
ホームページに連載された作品で、毎回同じようなシチュエーションとエロス場面が繰り返されるので、興奮するというよりも、ゲンナリしてしまった。

『ケータイ小説がウケる理由』

吉田悟美一『ケータイ小説がウケる理由』(マイコミ新書 2008)を読む。
タイトルそのまま、当時流行っていたケータイ小説が需要される理由について分かりやすく説明されている。
特に、それまでの小説と異なるモバイルネットワークを用いた「共有」感覚について、作者・読者・サイト運営者の3者の視点から丁寧に解説を加えている。

読者は物語の世界観に入りながら、作者を応援し、朱印校に自分を投影し、共感していくのです。作者と読者は少しずつ、共感レベルを上げながら、ゴールに向かって、作り上げていく感覚になるでしょう。作品が完成したときには、共同作業を終えたことになるのです。完成した作品は、作者だけのものではなく、共有する作品となっています。