下川裕治『週末アジアでちょっと幸せ』(朝日文庫 2012)を読む。
朝日新聞社のウェブサイトに連載されたコラム「週末アジア旅」を元に,新たに書き下ろされたものである。
タイトルにある通り,大それた冒険ではなく,週末に飛行機やバスを乗り継いで名もないアジアの土地をふらっと旅するおじさんの旅行記である。韓国,台湾,マレーシア,シンガポール,中国,沖縄,ベトナム,バンコクの8章で構成されている。その中で,中国の甘粛省とウイグル自治区の境にある星星峡が興味深かった。実際現地に行ったらほとんど人もいない場末の集落に過ぎなかったというオチなのだが,ウイグル自治区と甘粛省の格差や重々しい警備など,現代の中国事情を顕にしている。
日別アーカイブ: 2019年6月11日
「都市の局地的豪雨」
「日本最西端 260㍍北北西へ」
本日の東京新聞朝刊に,日本の最西端を与那国島の西沖にあるトゥイシに変更するとの記事が掲載されていた。国連海洋法条約で,沿岸国は自国の基線から200海里(370km)内の水産や鉱物資源をに関する独占的な権益を有する排他的経済水域(EEZ)が認められている。東シナ海において改めて日本のEEZを知らしめようとするものである。しかし,記事にある通り,やっと満潮時にやっと顔を出すような岩を日本の国境線とするのはあまり好ましい判断ではない。このような大勢に影響がないのに,せせこましい国境認定をしてしまうと,他国の政策を批判ができなくなる。すでに沖ノ鳥島のような「無理」をしているのに,同じような無理を重ねることに意味があるのだろうか。
ちなみに日本最南端は沖ノ鳥島,最東端は南鳥島,最北端は択捉島となっている。沖ノ鳥島の現実の姿と,容易に足を踏み入れることの出来ない択捉島の歴史は確認しておきたい。