本日の東京新聞夕刊に,アメリカ政府と規制当局がそろってグーグル,アップル,フェイスブック,アマゾン・コムの4社を反トラスト法(独占禁止法)で対処を検討しているとの記事が掲載されていた。
反トラスト法とは,資本主義の根幹である自由競争そのものを阻害する独占資本の形成を規制するという法律である。昨年の授業でも扱いましたが,GAFAは多国籍企業で脱税の疑いもあり,米国だけの監視強化でなく,他国的な枠組みでの調査が求められる。
また,今回の反トラスト法であるが,日本では独占禁止法という法律で知られている。独占禁止法は内閣府の外局として置かれている公正取引委員会が運用するものである。
そもそも公正取引委員会が誕生したきっかけは,1945年10月にマッカーサーが幣原首相に口頭で伝えた五大改革の目玉である経済機構の改革が端緒となっている。三井や三菱,住友などの資本独占である財閥を解体する過程で設置されたものである。戦後の経済制度・労働改革はGHQ政策の要点となるので,日本史受験者は復習しておいてほしい。