本日の東京新聞夕刊に,香港で「一国二制度」崩壊への懸念から,1997年の香港返還後最大のデモが行われたとの記事が載っていた。デモの規模もさることながら,デモを規制する警察や香港当局の姿勢に着目したい。
香港と言っても,10代の若い人にとっては,上海や杭州といった沿岸部都市の一つという認識しかないかもしれない。返還直後こそ日本のメディアは歴史の転換点だと囃し立てたものの,その後の香港の政情に関する報道はめっきり少ない。日本のマスコミは,中国共産党の政治的抑圧が喧しい新疆ウイグル自治区やチベット自治区,発生30年を迎えた天安門事件などをしっかりと取り上げてほしい。
また,教科書ではあまり取り上げられないが,1941年の12月から1945年の8月まで,香港は日本の占領下にあった。1941年12月のシンガポール(昭南島)攻略と合わせて覚えておきたい。香港の隣にある澳門(マカオ)は第2次大戦中に中立保っていたポルトガルの租借地だったため,日本軍も手を付けていない。