1面に続く,27面では教育勅語再評価に関する内容となっている。記事にもある通り,国民を戦争に駆り立てた教育勅語は,1948年森戸文部大臣の時に排除・失効が決定している。それに代わって1947年に「平和主義・国民主権・基本的人権の尊重」の考え方に基づいた教育基本法が成立している。しかし,柴山昌彦文部科学相は昨秋の就任会見で,教育勅語を「道徳に使えるという意味で普遍性がある」と発言している。
近現代の歴史を学ぶ上で大切なことは,偏差値を上げることでも歴史用語の暗記でもない。「平和=善,戦争=悪」といった単純思考から一歩脱し,無謀な戦争へと突っ込んでいき,失敗に気づいても引き返せなかった過程や,戦争に巻き込まれなくても済む安定な国家の準備段階の流れを丁寧に掘り起こしていくことである。ちょうど先週あたりから,財閥解体や農地改革など担当する教員も辟易してしまう内容が続くが,用語の穴埋めや説明ではない授業を心掛けていきたい。