ベルトラン・デルプーシュ『世界の食糧・農業Q&A』(農文協 1990)を読む。
30年前の本なので、ソ連の「コルホーズ(農業の共同化)」や「第三世界」、「EC」といった懐かしい単語が登場する。特に農業における南北問題について、先進国から開発途上国へ農産物が輸出される現状について、アグリビジネスや食糧援助、累積債務問題などかなり硬派な視点から論じられている。地球規模での温暖化防止条約やバイオ燃料が登場する前であり、国際農業情勢も現在とは異なる点もある。しかし、オランダの農業輸出や劣性遺伝が生じる交配種ビジネスなど現在に繋がる内容も多く勉強になった。