日別アーカイブ: 2018年7月26日

「強権フン・セン与党 中国が後ろ盾」

本日の東京新聞朝刊に、東南アジアで通商・安全保障上の戦略的要衝に位置するカンボジアの総選挙の模様が報じられていた。
記事によると、最大野党を解党に追い込んだり、マスコミに圧力をかけたりするフン・セン首相率いる与党「人民党」の圧勝が確実な情勢とのこと。フン・セン氏はもともと中国の援助のもと、1970年代に推定170万人の命を奪ったポル・ポト政権の軍司令官を務めた人物であり、1993年の民主化以降も、政権の座に居座り続けている。
「一帯一路」経済圏構想を進める習近平政権にとって、海に抜けるカンボジアは戦略的に重要で、投資や援助を惜しまない。また軍事面でも関係を深め、南シナ海で問題では中国寄りの立場を示し、16年には初の合同軍事演習も行っている。ウィキペディアによると、解党に追い込まれた最大野党の「救国党」に対して中国のサイバー攻撃がなされているそうだ。

旧ソ連でワルシャワ条約機構に加盟していた衛星国家や、南米における米国と結託した軍事政権を思い出させるような話である。今どきこんな時代錯誤な政治体制があったのかとびっくりである。先日、紅海の入り口のマンダブ海峡に面したアフリカ・ジブチ共和国に中国が基地を建設したとの報道もあったが、いよいよ「一帯一路」戦略が、構想段階を終えて、経済・軍事の両面で中央アジア、東南アジア、南アジア、中東、アフリカを制圧下に置こうとする中国の動きが表立ってきた。大変地域が広いだけに、細かい記事に注目していきたい。