日別アーカイブ: 2018年7月23日

『日本住宅史図集』

住宅史研究会編『日本住宅史図集』(理工図書 1970)を読む。
大学の建築学科や家政科の講義の参考文献として編集されたもので、縄文時代の竪穴式住居から1960年代の団地や都市計画まで、2000年間の日本の住宅の展開図や構造の絵や写真が並ぶ資料集となっている。一概には比べられるものではないが、1950、60年代の鉄筋コンクリートの団地よりも、古代の茅葺の家や中世の茶室の方が遥かに人間らしいと感じる。
最近は日本の住宅事情を評する「ウサギ小屋」という言葉もあまり聞かれなくなったが、熱帯夜が続く今日この頃、果たして都心のワンルームマンションと古墳時代の住宅と、どちらが寝苦しいのだろうか。

昼間の疲れが出たためか、何だかよく分からない文章になってしまった。

『アジアの環境問題と日本の責任』

宮本憲一編『アジアの環境問題と日本の責任』(かもがわ出版 1992)を読む。
日本だけでなく、韓国、マレーシア、台湾のレポートを中心に、「公害輸出」とも呼ばれる日本企業の勝手な経営戦略やアジア各国の環境政策の具体的な問題点が報告されている。特にマレーシア・ボルネオ島のサバ州とサラワク州における木材伐採は目を覆うばかりである。マレーシア政府と日本企業が一体となって、再生不可能なほどに熱帯雨林の80%が伐採され、森の中で暮らすペナン族へ迫害を強めていく様子は、映画「アバター」の世界そのままである。

近年はマレーシアからの木材輸入は減少しているが、日本は国土の67%が森林に覆われているので、まずは日本国内で官民一体となって木材の自給自足のあり方を検討するべきである。編者の宮本氏も「持続可能な発展」を目指す日本型環境モデルを提唱すべきだと述べる。

竹の塚駅ポタリング

仕事の帰りに竹の塚駅周辺まで足を伸ばした。
1993年の春から夏にかけて4ヶ月間弱だけ暮らした町である。
自転車で新聞を配り、集金に回り、教習所に通い、銭湯を利用した町である。
当時住んでいたアパートを探したのだが、記憶が曖昧で皆目見当がつかなかった。
記憶の微かな糸を手繰り寄せるに、20年ほど前と10年ほど前にも竹の塚駅周辺を散策している気がするのだが。
二十歳の頃からの人生の距離感を感じながらペダルを回した。