千葉達朗編『活火山活断層 赤色立体地図でみる日本の凸凹』(技術評論社 2006)を読む。
前半で日本列島に位置する4つのプレートを立体地図で示している。糸魚川-静岡構造線や中央構造線、北海道中央の縦縞模様や東北地方の梯子模様など、日本の土地の凸凹もプレートの動きと合わせてじっくりと眺めてみると嫌が上にも興味が湧いてくる。数年前に大鹿村の中央構造線の博物館で学芸員の方から話を伺った際の興奮が蘇ってくる。
また、火山の仕組みや解説も分かりやすかった。二酸化ケイ素(結晶は石英)の含有量でマグマの性質ががらりと変わる。また、それに伴い岩石の種類や火山の形も変化するのだが、写真やイラスト入りなので、頭の中で整理することができた。
また、後半部では、赤色立体図を用いて、108の活火山と98の主要な活断層がまとめられ、カルデラ湖や馬蹄形火口の形成過程についての詳細な解説も加えられている。どのページもそのまま拡大コピーして博物館の壁に掲示しても全く遜色のない出来栄えである。
溶岩の化学的な性質の違いが、数万年後の風景に大きな影響を与えるというダイナミクスさに畏れ行った。もう少し勉強が必要である。