井出英策『18歳からの格差論:日本に本当に必要なもの』(東洋経済新報社 2016)を読む。
税制度や再分配の仕組みだけでなく、中間所得層の貧困化による社会分断など、財政だけでなく、アベノミクスがもたらす社会状況について、高校生向けにイラスト入りで分かりやすく説明している。
減税や奇跡緩和グローバル化による景気浮上の行き詰まりや、増税による年金や社会保障の充実が不公平感を偏重しているとの考えから、筆者は増税(特に地方税)によって税収を増やし、その増加分を教育や医療、介護、住宅などの最低限の人間らしい生活サービスのために使うことを提言している。さらに格差を減らすためにベーシックインカム制度の導入を提言している。誰しもが平等に受益者になることが、社会の分断化を抑え、政治に対する信頼を回復する道だと述べている。
『18歳からの格差論』
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