木谷収『バイオマスは地球環境を救えるか』(岩波ジュニア新書 2007)を読む。
バイオマスの解説に始まり、バイオエタノールやバイオマスプラスチックなどの利用方法、ジャトロファや地産地消の効率的な活用方法などの展望について詳細に語られている。高校生向けの本だと高を括っていたのだが、バイオマスの実際的な活用の解説に際して、光合成や燃料電池の化学式から説明されており読み応えがあった。
木谷氏の言によると、バイオマスは「生態系の中で、光合成産物である植物、植物から光合成産物をとりこんでいきる動物、植物と動物を分解して生きている微生物、およびこれらの生物の遺体などに由来する有機物」と定義されている。微生物は有機物を最終的には二酸化炭素に分解するため、人間がバイオマスを燃やして大気圏に放出するのと変わらず、新たな地球温暖化の要因となるような環境破壊を引き起こさないと言う。
『バイオマスは地球環境を救えるか』
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