茂木健一郎『脳を活かす勉強法:奇跡の「強化学習」』(PHP研究所 2007)を読む。
著者自身の経歴や体験、脳科学の知見から、楽しく続けられる学習方法が丁寧に説明されている。冒頭で茂木氏は次のように述べる。
「脳を活かす勉強法とは、脳の特性を知り、自分の脳と上手につきあうことで学習そのものを楽しめるようになる”学びの習慣”のことです。ですから、この勉強法の本質は「いかにして自分の脳を喜ばせるか」だと言えるでしょう。
そして、著者は脳が喜ぶ3つの仕組みとして次の3つを挙げている。
- 「ドーパミン」による「強化学習」に寄って、脳を強化する。
- 「タイムプレッシャー」によって、脳の持続力を鍛える。
- 「集中力」を徹底して身につける。
筆者は、脳が喜ぶような達成感や報酬を与えること、スポーツの計時のようにプレッシャーをかけ続けること、そしていつでも勉強に集中できる環境作りが大切だと述べる。最後に著者は次の言葉で締めくくる。
学習の最終目的は、テストでよい点をとったり、資格試験に合格することではありません。まず最初に、「強化学習」の回路の最初のひと回しを行うこと。その過程でさまざまな試行錯誤を重ねること。そして、長い人生を通して「知」を探求していく姿勢にこそ、大きな価値があるのです。