関三穂・編『日本野球100年−殊勲感激物語 』(恒文社 1978)を読む。
恒文社とは聞きなれない名前だが、ウィキペディアによると、ベースボールマガジン社の兄弟社という位置付けらしい。
明治半ばの一高、早稲田、慶應を中心とした学生野球勃興期から、大学野球、高校野球の華やかりし大正時代、昭和0年、10年代の職業野球時代を経て、戦後の巨人、阪神、阪急、南海の強豪チームを中心としたプロ野球熟成期までの100年間の間に繰り広げられた激闘や死闘の名勝負が紹介される。名前だけしか聞いたことがなかった沢村投手や、選手時代の三原修、川上哲治、スタルヒンなどについて少し知ることができた。人力車で道具を運ぶくだりや、早稲田大学と慶應大学の因縁の対決など、歴史を感じる興味深い話もいくつかあった。
それにしても、昔の写真を見ると、バットやグローブも不揃いであり、グランドもボコボコと波を打っている。まさに言葉通り、原野や野人、粗野の「野」の字を持つスポーツとして出発したのである。
『日本野球100年−殊勲感激物語 』
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