月別アーカイブ: 2014年8月

経済学史 第一課題

スミスの『国富論』第1編を説明せよ。

序論
 Smithは『道徳感情論』の中で,経済人の利己的な行為が自ら企図せざる結果を生むとし,重商主義や重農主義を批判した。「序論」の中で,国民の富とは「国民が年々消費する生活の必需品と便益品の全てを本源的に供給する元本」であると定義づけ,富の源泉は労働であり,富とは消費財であるとした。さらに,そうした富の増大は,分業と生産的労働者の2つの要因で規定されるものである。

分業論
 Smithによれば,文明社会における労働生産力の増大の最大原因は分業である。18世紀に入り工場制機械工業が導入されると,全行程を一人の職人に担当させるよりも,作業行程を分割し単純化させた方が労働生産性が飛躍的に高まることが明らかになってきた。Smithによると,当時の英国は「(文明国の)農夫の暮らしぶりが,1万人もの野蛮人の生命と自由の絶対的支配者たるAfricaの王侯の暮らしぶりを凌ぐということは真実だろう」と,分業による生産力の増大によって最貧層の者でさえ豊かな消費財を享受していた。

利己心論
 Smithによると,多くの利益を生む分業の原理は,人間本性の「交換性向」と利己心にある。「自分に有利となるように仲間の自愛心を刺激することができ,そして彼が仲間に求めていることを,仲間が彼のためにすることが,仲間自身の利益にもなるのだということを,仲間に示すことができるなら,その方が目的を達しやすい」と述べるように,人間社会は一方乃至他方の博愛心ではなくて,相互の利己心に基づくGive & Takeによって,結果的にWin-Winの関係が成立しているのである。

価値論
 Smithは分業と交換が発展していく中で,物々交換の不便さを解消するために貨幣が用いられた過程を分析し,「貨幣はすべての文明国民において商業の普遍的用具となった」と述べ,貨幣は商品の交換価値を評価する価値尺度として機能するとした。さらに,使用価値は持つが交換価値はほぼない水と,使用価値はないが交換価値は極めて高いdiamondの逆説を例に出しながら,交換価値を決定する法則を決定する必要があるとした。

労働価値説
 Smithは交換価値の尺度について2つの定義を示している。1つは投下労働説と呼ばれ,「あらゆる物の実質価格,すなわちどんな物でも人がそれを獲得しようとするにあたっては真に費やさせるものは,それを獲得するための労苦と煩労である」と定義付けされる。つまり,その商品の生産に投下された職人たちの賃金に加え,利潤や地代をも含めた労働力の総量である。特に,労働の全生産物が労働者に属するような未開社会では投下労働説の妥当性が見いだしやすい。
 もう1つは,支配労働説と呼ばれ,「ある商品の価値は,…他の商品と交換しようと思っている人にとっては,その商品でその人が購買または支配できる他人の労働量に等しい。それゆえ労働は全ての商品の交換価値の尺度である」と定義付けされる。つまり,その商品によって支配できる労働力の総量を示している。近代社会では労働の生産物が一人の職人に帰属されるものではなく,労働者は賃金を,資本家は利潤を,地主は地代を得るようになり,商品の価値は,賃金と利潤と地代の分配の構成で決定されるので,支配労働説の方が商品価値の説明としては分かりやすい。

自然価格論
 Smithによれば,一般的に商品の自然価格は,労働量(賃金)・利潤・地代の自然率から構成される。市場に供給される商品の価格が,生産に用いられる価格と過不足なく一致している時に,その商品は自然価格で販売される。これに対して,商品が通常に販売される現実の価格を市場価格と言い,自然価格と市場価格の関係は,商品の供給量と有効需要の割合によって決定される。供給が需要よりも少ない場合,市場価格は自然価格よりも上昇し,供給が需要を下回る場合,市場価格は自然価格よりも下落する。さらにSmithは「自然価格はいわば中心価格であって,そこに向かって全ての商品の価格が絶えず引きつけられる」と万有引力の法則を援用し,自然価格は,各商品の需給均衡,各部門間の利潤率均等化の機能を果たし,そして要素の最適資源配分を達成する価格であると述べる。

分配論
 Smithによれば,賃金は労働者の生産物から地代と利潤とを控除した残りの分である。北米や英国など,国民の富の増加が急速な国では,労働需要の増加が大きく,賃金は最低率を大きく越えて高くなる。高賃金は労働者の勤勉を刺激する。そして高賃金は商品価格を上昇させるが,一方で資本蓄積による労働生産力の増進は,生産に必要な労働量を減少させて価格を低下させる。また,資本の増加は,賃金の引き上げと同時に利潤率を引き下げる傾向にある。Smithによれば,資本蓄積の進んだ国ほど,利潤率は低いが豊かである。生産と分配における労働者・資本家・地主の3大階級と,それに対応した賃金・利潤・地代という要素間の相互の収支関係が古典派経済学の基本的な枠組みとなっている。

地誌学 第2課題

【北Eurasia】
 ほぼ東経60度の経線に沿って,Ural山脈が走っており,西側は標高300m以下の東Europe平原が広がっている。東側からEnisei川にかけては西Siberia低地が広がり,Enisei川以東からLena川にかけて中央Siberia高原がある。Lena川以東は新期造山帯となり,北米・太平洋Plateの境界に位置するKamchatka半島では地震活動が活発で,約30の活火山が世界自然遺産に登録されている。気候的には大半が冷帯気候に属する。国土の約3割で1月の平均気温が-30度を下回り,結氷期間は半年以上にわたる。気温の年較差が大きく,東Siberiaでは60度以上にも及ぶ。国土の大半はTaigaと呼ばれる針葉樹林に覆われ,北極海沿岸は蘚苔や地衣類が生育するTundra帯である。Russia南西部や南部の国境地帯のSteppe気候地域に人口が集中している。また,TaigaやTundaraが広がる地域は永久凍土となっており,その南限は1月の-20度の等温線とほぼ等しい。
 Russiaは,世界でも有数の鉱産資源大国であり,石油や天然ガス,石炭,鉄鉱石など,主要な地下資源のほとんどの産出量が世界の上位に位置する。また,diamondやnickel,金なども豊富で,社会主義時代には,軍事力を背景にして,鉱産資源を安全に輸送するために周辺国を押さえ込み,pipelineを敷設するなどしてきた。しかし,1991年のソ連解体後,次々と周辺国が独立し,資源や国境を巡る民族・宗教紛争が頻発している。昨今のUkraine騒乱や,Chechen共和国の独立運動も,民族・宗教・言語の全ての面で統制を図ってきた旧ソ連時代の反動が続いていると分析できる。
 日本とは北方四島の帰属を巡りもめているが,旧樺太にあたるSakhalinの石油や天然ガスの多くが日本に輸出されている。

【Europe】
 気候的には,西部が暖流の北大西洋海流の影響で温帯気候,東部が冷帯気候,Alps山脈以南は地中海性気候となっている。IcelandやScandinavia半島は寒帯に属し,Fjordなどの氷河地形が見られる。
 通商貿易に依存した港湾都市が大都市となり,やがて国家へと発展した例が多い。また,言語はLatin語を基礎として発展したものが多く,ほぼ民族国家単位の国語に分かれている。Christ教を共通の文化基盤としており,言語や宗教を巡る紛争が少ない。
 そうした文化の共通性もあり,1993年のMaastricht条約の発効に伴い,EUが成立した。2014年現在加盟国数は28となり,単一通貨Euroは18カ国に流通している。
 日本との関係も深く,1860年代以降,憲法に始まり,政治や経済,学問や思想,芸術の幅広い分野で日本はEuropeの波に洗われた。

【北America】
 西部はAlaska山脈やRocky山脈などの環太平洋造山帯の険しい山脈が連なり,東部は,Labrador高原やAppalachian山脈などの安定陸隗が広がる。北緯40度以北は冷帯や寒帯,西部は乾燥帯,東部は温帯気候となっており,夏に竜巻やHurricaneが頻繁に発生し,大きな被害をもたらしている。
 北米の農業地域は,いくつかの農業地帯に区分されてきた。中西部のCorn Belt,南部のCotton Belt,年降水量500mm前後のWheat Beltが代表的である。現在,大規模な企業的農業や,乾燥地帯でもCenter Pivotによる灌漑施設が点在し,穀物majorのような商社が国際流通に大きな影響力を持ち,世界最大の農作物輸出地域となっている。
 また,北米経済は豊かな地下資源に支えられ,20世紀を通じて,石油や石炭,天然ガスなどを活用した繊維産業や製鉄業,自動車,造船業などの伝統的工業が世界を牽引してきた。20世紀末以降は,航空宇宙産業やICT産業,biotechnologyなどの先端技術産業の分野へと活路が広がっている。
 日本と米国の関係は深く,軍事,政治,経済,学問,文化,思想の全ての面で,「共依存」関係にあると言っても過言ではない。

【中・南America】
 太平洋沿岸はMexico高原からAndes山脈までの新期造山帯で,Guiana高地やBrazil高原などの東部は安定陸隗となっている。その中央部にはAmazon川流域の世界最大の熱帯雨林が広がり,地域の75%以上は熱帯に位置する。
 地域全体の共通性や同質性が強く,総人口5億6千万人のうち,約63%がSpain語を,約34%がBrazil1国であるがPortugal語を公用語としている。また,この地域の人口の90%前後がCatholic教徒である。Spain/Portugal両国の植民地支配の名残で,monoculture経済による1次産品の輸出偏重と外国資本への依存や,過剰都市化の進展や一極集中,国内の経済格差や国規模での格差の拡大が進んでいる。
 2014年8月に安倍首相がBrazilの日系社会の会合に招かれ,「絆をより太く」と発言したように,日本からの移民も,また日本への移民も数十万人単位を数えるほど関係は深い。

『イタリア讃歌 手作り熟年の旅』

高田信也『イタリア讃歌 手作り熟年の旅』(文藝春秋 1995)を読む。
自治省に入り、財務局指導課長や島根県副知事、自治大学校副校長などを歴任した著者が、60代後半に入って始めた手作り海外旅行の旅行記である。夫婦でホテルや切符の手配をしながら、32日間にわたってミラノ、ヴェローナ、ヴェネツィア、フィレンチェ、ローマ、ナポリと回った体験がまとめられている。先日読んだ貧乏旅行記ではなく、熟年ならではの余裕で、3つ星以上のホテル生活を満喫しながら、美術館や博物館、土産物屋をじっくりと味わいながら逍遙する。
美術作品や食事の蘊蓄は読み流したが、パスポートを紛失したり、今夜泊まるホテルが見つからなかったりと、行き当たりばったりの個人旅行につきもののハプニングの方は面白かった。

地誌学 第1課題

 地誌学は,特定の場所や地表についての地理学的研究であり,空間的・地域的な特殊理法を見出そうとする科学である。その研究方法には以下の5項目があげられる。
1)分布図の作成と計量的な検討 人口分布図や水田率の分布図,地形図などを用いて,特定の場所での事象や分布を計量的に検討し,空間的・地域的に認識すること。
2)地域の類型と区分 Christallerの「中心地理論」など,同質地域や結節地域,総合地域など,地理的事象の場所的なまとまりを見出し,地域を設定し,地域に区分すること。
3)地域の構造 Köppenの気候区分やBurgessの同心円理論など,地域の内部構造を,地域を構成する諸要素や諸因子の組み合わせによって明らかにすること。
4)地域の連関 Isardの経済的結合関係の計量化など,地域を構成する諸要素が,相互に連関している状況を明らかにすること。
5)地域の形成 地域が形成され,推移していく歴史的過程や背景を明らかにすること。

【東南Asia・南Asia】
 India南部は安定陸隗に属するが,東南Asiaの東縁の環太平洋造山帯や,NepalからPakistanまでのAlps=Himaraya造山帯は,新期造山帯に属し,1991年のPinatubo火山噴火や,2004年のSumatra沖地震に代表されるように,地震・火山活動の活発な地域である。また,海岸部にはMangroveが広がり,1960年代以降,河口部の巨大Deltaの大半も水田開発が行われている。気候的には,大半がmonsoonのある熱帯雨林気候となっており,雨期を有効に活用した浮稲や棚田などの稲作が人々の生活を支えていた。しかし,近年地球規模の温暖化やIndonesiaの熱帯雨林破壊の影響のためか,monsoonの時期や地域のズレが目立つようになり,El Niñoなどの異常気象の引き金になっているとの指摘もある。
 元々,この地域は古くから民族移動が多い地域であった。しかし,19世紀以降,綿花やCoffee,砂糖黍,天然ゴムなどの商品作物の強制栽培地として欧米諸国による植民地化が進んだ。戦後,宗主国が民族や宗教,言語の分布を無視して国境を策定したため,欧米からの独立戦争終結と合わせて,国内の民族・宗教紛争が頻発することになった。印パ戦争やCambodia,Vietnam,東Timorでの内戦の結果,多くの難民が生まれ,民族や宗教が一段と多様化することになった。
 1990年代後半には,東南Asia10カ国がASEANを作り域内の経済・社会分野の相互協力を進めている。また1985年には,南Asia7カ国がSAARCを発足させ,域内の経済成長と国民生活の向上を目指した協調関係構築している。戦時中は日本の軍事支配下に置かれたが,大戦以降,JICAやODA,NGOによる技術援助や社会援助,開発支援が功を奏し,日本との経済的連携は緊密なものとなっている。

【西Asia・北Africa】
 西AsiaはArab Plateに,北AfricaはAfrica Plateにのる安定陸隗だが,TurkeyからAfghanistanに至る地帯はAlps=Himaraya造山帯に属し,地震・火山活動の活発な地域である。地域一帯全て砂漠気候に属し,古くからOasisを中心に湧水や地下水を利用して灌漑農業が発達した地域でもある。Nile川やTigris/Euphrates川では,Egypt文明やMesopotamia文明が栄え,7世紀にはIslām教が誕生した地である。8世紀には西Asiaから北AfricaにまたがってIslām教徒の大帝国がつくられ,Silk Roadを通して,文明の十字路の役割を果たした。20世紀に入り,石油や天然ガスが開発されたが,欧米の石油資本が潤うだけであった。戦後,OPECやOAPECで各国が結束し,産油国資本となったが,石油Monocultureから脱却できず,独裁政権によって格差や貧困が拡大し,現在では全ての国が穀物輸入国に転じている。
 連合赤軍によるTel Aviv空港乱射事件がArab諸国から英雄視されるなど,親日感情を持つ人が多い地域である。日本は石油全輸入量の90%をこの地域に依存している。

【中・南Africa】
 Africa大陸東部は大陥没地帯があり,火山・地震が多い地域である。Congo盆地南側から大陸南端まで標高1000m以上の盆地となっている。また,赤道を通るCongo盆地は熱帯雨林気候で,その周辺はSavanna気候,以降南に下るに連れて,Steppe気候,砂漠気候,大陸南端は地中海性気候と帯状の気候区分が見られる。
 様々な風土病でも知られ,Tsetse蠅を媒介したTrypanosoma症やmalariaなどが猛威をふるっている。現在,LiberiaやSierra LeoneではEbola出血熱の拡大が懸念されている。
 CassavaやBanana,モロコシ,ヤムイモなどが主食作物であるが,植民地支配の影響が強く,Cacao豆やCoffee,落花生などの輸出作物,また鉱物資源が各国の経済を支えている。
 1960年を境に多くの国が独立を果たしたが,国政を担う近代的民族国家の建設は,政治的にも経済的にも難しく,社会主義の方向性も模索され,国境策定や資源を巡り激しい内戦や民族紛争が続いている。

ウルトラマンフェスティバル2014

家族を連れて、池袋サンシャインで催されている「ウルトラマンフェスティバル2014」に出かけた。
特に下の子がウルトラマンに熱を上げているので、大はしゃぎの大興奮であった。

ここ数年、たまごっちやらトミカやら、子どもの興味のブームに赴くままに、家族連れの芋洗いイベントに参加している。
8月に入って最初の日曜日だったためか、会場はごった返しであった。

それでも、ウルトラマンタロウやカネゴン、エレキングなど、昔懐かしいキャラクターに出会うことができて、親の私も満足であった。家族5人での写真撮影の後に、ウルトラマンギンガに握手してもらった。子どもだけかと思っていたところに、突然おじさんの私にも手を出されたのでビックリであった。思わずこちらは両手を差し出して敬いの握手をした。心持ち光栄な気がした。

 

 

 

帰りは、せっかくの都心まで出たので、ついでにTBSの赤坂サカスに展示してあるウルトラマンの塑像を観に行った。
10年くらい前に都心を散歩していた際、不意に出会った2体のウルトラマンは、首をもたげて視界に入れるほどデカかったという印象が残っている。しかし、今回、改めてじっくりと向き合ったのだが、建物裏にぽかんと放置してされているような寂しい佇まいであった。
ウルトラマンキングに叱られそうだが、胸を張り上げる得意のポーズが、ソビエト社会主義共和国連邦が崩壊した後のレーニン像を想起させる。