月別アーカイブ: 2014年1月

『魔法少女まどか☆マギカ』

kaname-madoka0001

近所のTSUTAYAで新房昭之監督、虚淵玄脚本『魔法少女まどか☆マギカ』のDVD全6巻を借りてきた。
3日間で一気に全12話を観て、また第1話、第2話と繰り返し観ている。
「文化系トークラジオLife」でも評判になっていた作品である。第1話や第2話を見始めた際は、「萌え系」アニメのタッチに慣れず、「40歳のおじさんがはまるべき作品なのか」と疑問を感じながらの鑑賞であった。
しかし、回が進むごとに謎が明らかになってきて、どんどん作品の世界にはまり込んでいった。ちょうど学生時代に『エヴァンゲリオン』を観た時の興奮がよみがえってくるようであった。

たかが中学生の淡い奇跡への憧れから生じる悪夢を「自己責任」として処理してしまうキュウべえの考え方は、まどかが指摘しているように全うなものなのか。

人間の生の感動を単なる事象として回収してしまうキュウべえの考え方は、現在のビッグデータやマーケティングを象徴しているのか。

ひたすら自己犠牲を強いる魔法少女の世界は極めて男性的な論理で支配されているが、、その中でキョウコやホムラのように自分にわがままな女性的価値観こそが、現在のブラックな社会に必要なものなのか。

物語の謎は次々と解かれていくが、心の中の疑問は次々と膨れ上がっていく。

最終話になると、手塚治虫の『火の鳥』を彷彿させる展開に息が止まるようであった。

今、パソコンに向かいながら、第1話から確認のために見返しているのだが、今度は「鹿目まどか」を見守る「暁美ほむら」と私自身の視線が同一化してしまっていることに驚く。

早く映画版を観てみたい。そして眠い。。。

『アフターダーク』

村上春樹『アフターダーク』(講談社文庫 2006)を読む。
2004年に刊行された本の文庫化である。ある都会の深夜の数時間、ファミレスで時間を過ごす若者やカップル・ホテルの従業員、眠り続ける女子大生たちの群像劇である。都会の闇と心の闇がリンクし、夜明け前の希望を示唆して話は終わる。
乾いた都会の雰囲気を感じる良質な作品であるが、村上春樹流の丁寧な翻訳調の文体にはいささか閉口した。

『ジャッジ!』

judge635

春日部イオンで、永井聡監督、妻夫木聡・北川景子主演『ジャッジ!』(2014 松竹)を観た。
何が面白いのか分からなかった。B級映画であるのは分かっていたので、それなりの感動や笑いを期待したのだが、あまりに漫画チックで話に入っていけなかった。

『タワーリング・インフェルノ』

633046ff4b4c4891a8324ea7696e67f1

地上波で放映された、ジョン・ギラーミン監督、スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン主演『タワーリング・インフェルノ(The Towering Inferno)』(1974 米)を観た。
138階建てのビルで発生した火災から逃げ惑うパニック映画である。CGのない頃の作品なので実際の炎と爆破のシーンが続く。また、最後は全員が無事に助かるハッピーエンドとはならず、主要キャスト含め200人あまりが犠牲となって何とか火災が食い止められる形でエンディングを迎える。大型災害の現実の一端が垣間見える。

『図解・なぜ起こる? いつ起こる? 地震のメカニズム』

都司嘉宣『図解・なぜ起こる?いつ起こる? 地震のメカニズム』(永岡書店 2009)を読む。
都司氏は現在独立行政法人防災科学技術研究所客員研究員を務める地震学者である。ネットによると、東海・東南海地震が周期的に発生する時期に入っており、千年に1度の超巨大地震が発生する可能性もわずかにあるとし、地形的に津波のエネルギーが集まりやすく津波被害を考えても浜岡は廃炉にすべきと持論を展開しているとのこと。
地震発生のメカニズムについて地球の仕組みから丁寧に解説されている。また、地震予知の現状と限界、防災対策についてもまとめられている。
日本を取り巻く北アメリカプレートとユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの4つのプレートの重なりを頭の中で3Dで理解することができた。また、世界でも地震が頻繁に起こる地域は限られており、イギリスやフランス、ドイツなどのヨーロッパ、アフリカ大陸やオーストラリア、太平洋側を除くアメリカ大陸ではほとんど地震がないという事実も初めて知った。一方、中国やインドネシア、イラン、トルコ、メキシコやチリといったプレート境界線域で大地震は繰り返されている。
現在、国内で需要がないため、安倍政権のお墨付きのもと三菱重工業がトルコに原発輸出を進めているが、あまりに危険と言わざるを得ない。