津田大介『Twitter社会論:新たなリアルタイム・ウェブの潮流』(洋泉社 2009)を読む。
Twitterを
ツイッターが今後社会を、世界を変えていくのか。それは誰にもわからない。そもそもインターネットがどれだけ世の中を変えたのかという話もある。ただ、今現在、ツイッターというプラットフォームの上で同時多発的に起きていることを目の当たりにしたとき、そこに『世の中が動く」ダイナミズムがあるように思えてならないのだ。それは、筆者が社会に出る直前の大学生時代にインターネットに触れた「ネット第1世代」であることも多分に影響しているようにも思える。90年代半ばに感じた「ネットが持つ無限の可能性」を、今再びある種のノスタルジーも含めて、ツイッターに仮託しているのかもしれない。
社会なんてなかなか簡単に変わるものじゃない。変えるには、個人個人がリスクとコストを取って実際の社会で何かしら動く必要があるからだ。変わらないことに絶望していろいろとあきらめてしまった人もたくさんいるだろう。それでも人々が動くための一歩目を踏み出すツールとして、ツイッターは間違いなく優秀だ。何をあきらめてしまった人が、ツイッターを使うことで「再起動」できれば、少しずつ世の中は良い方向に動いていく。そんな希望を持ちたくなる、得体の知れない力をツイッターは持っている。