月別アーカイブ: 2013年3月

『Twitter社会論』

津田大介『Twitter社会論:新たなリアルタイム・ウェブの潮流』(洋泉社 2009)を読む。
Twitterを

ツイッターが今後社会を、世界を変えていくのか。それは誰にもわからない。そもそもインターネットがどれだけ世の中を変えたのかという話もある。ただ、今現在、ツイッターというプラットフォームの上で同時多発的に起きていることを目の当たりにしたとき、そこに『世の中が動く」ダイナミズムがあるように思えてならないのだ。それは、筆者が社会に出る直前の大学生時代にインターネットに触れた「ネット第1世代」であることも多分に影響しているようにも思える。90年代半ばに感じた「ネットが持つ無限の可能性」を、今再びある種のノスタルジーも含めて、ツイッターに仮託しているのかもしれない。

社会なんてなかなか簡単に変わるものじゃない。変えるには、個人個人がリスクとコストを取って実際の社会で何かしら動く必要があるからだ。変わらないことに絶望していろいろとあきらめてしまった人もたくさんいるだろう。それでも人々が動くための一歩目を踏み出すツールとして、ツイッターは間違いなく優秀だ。何をあきらめてしまった人が、ツイッターを使うことで「再起動」できれば、少しずつ世の中は良い方向に動いていく。そんな希望を持ちたくなる、得体の知れない力をツイッターは持っている。

『そして俺は途方に暮れる』

女による女のための第2回「R‐18文学賞」読者賞受賞作、渡辺やよい『そして俺は途方に暮れる』(2004 双葉社)を読む。

女性向けの官能小説であり、過激なセックスシーンが続く。しかし、男性目線のエロ小説と異なり女性視点で書かれているためか、過激ではあるが恋愛における心模様がベースになっている。印象に残ったシーンを引用してみたい。自分が満たされ愛されている確認事項としてのセックスを蔑ろにする男性への恨みつらみが述べられ、女性の怖さを感じる表現が続く。

 わたしは、暗い部屋の中にしばらくぼんやり立っていた。脚が震えてぺったりと部屋の真ん中に座り込んだ。心臓のばくばくいう音と自分のふうふういう荒い息が聞こえる。
「あああああああああ」
自分が号泣していると気が付いたのは随分たってからだ。あああ、寂しい寂しい寂しい。私のぽっかり空いたおまんこを埋めてくれるおちんちんがもうない。苦しい苦しい。誰が満たしてくれる。私を飢えさせ私を濡らしわたしをイカせてわたしをこんなふうに咆哮させるのはあの男しかいない。
そうだ、殺しておけば良かった。こんなすさまじい空漠が待っていると知っていたら、彼を殺しておけば良かった。そうして彼の肉が少しずつ腐るにまかせ、そのそばで思い切りオナニーするのだ。もう男はどこにも行かない。わたしの悦楽を見届けてくれる。やがて骨になり、どこかに飛び散ってしまって完全に彼の肉体が失せたら、わたしも死ぬのだ。そうだそうすれば良かった。

『シックス・デイ』

地上波で放映された、アーノルド・シュワルツェネッガー主演『シックス・デイ』(2000 米)を観た。
近未来のSFアクション映画であるが、クローン人間の危険性や倫理的問題などについてしっかりと触れられていた。
しかし、カットが30分以上あったためか、話のつながりが悪くて、いまいちのめりこむことができなかった。

wimaxから


↑ イオンで買った読書灯
これで読書量も増えるだろうか。
しかし、アベノミクスもなんのその、まだまだ「デフレ」を感じる価格であった。

2年前に契約したニフティのWimaxの更新の時期が近づいている。2年縛りのため、今後の利用状況を予想して、この時期に光ファイバーに替えるか、数万円のキャッシュバックのついた他社のWimaxに乗り替えるか思案中である。NTTのフレッツ光のパンフレットや「価格.com」を見比べているのだが、どうにも踏ん切りがつかない。現在のメールアドレスが気に入っているのでニフティでそのまま契約を更新しようという気もあるのだが、ほとんど使わない固定電話に毎月2000円弱も払っているのも馬鹿らしい、またレンタルサーバーも借りているので、ことさら大手のプロバイダにこだわる必要もない。メールは全てGmailに一括して、光の恩恵を受けるか、いやWimaxも進化しているので。。。

『飛行機雲~DJから特攻隊へ愛を込めて~』

地上波で放映された、草部文子作の舞台映画『飛行機雲~DJから特攻隊へ愛を込めて~』を観た。
第38回ギャラクシー奨励賞を受賞したラジオドラマがもとになっている。明日に出撃を控えた鹿児島の特攻隊と60数年後のラジオDJが、不思議なラジオを通して戦争や平和について語り合うというドラマである。片や1945年の8月、次々の死地へ赴く隊員同士の心からの友情や衝突が演じられながら、一方では、戦争があったことすら忘れ去れるほど平和にどっぷりつかった現代の日本のラジオ局のドラマが展開される。その異質な二つの世界が突然つながり、特攻隊員はDJにから「今、日本はいい国ですか」と問いかける。それに対してDJは「戦争がないから、平和だから、いい国です」と答える。その答えを聞いた特攻隊員は、明日に控えた出撃が次の時代の平和の礎になるのだと心から納得して出撃していく。
最近、涙腺が緩んでしまったのか、涙を浮かべながら鑑賞することになった。