日別アーカイブ: 2013年2月23日

『文化系トークラジオ LIfeのやり方』

鈴木謙介・長谷川裕・Lifeクルー『文化系トークラジオ LIfeのやり方』(TBSサービス 2013)を読む。
久しぶりに最新の新刊本を購入し、その日で読むという経験をした。月1回の深夜に放送される20代、30代の若手の論客によるトーク番組「文化系トークラジオ」
公式本である。
番組でメインパーソナリティを務める鈴木謙介氏とプロデューサーの長谷川裕氏のインタビュー記事と、3回分の放送の一部がテキスト化されている。

プロデューサーの長谷川氏は、「大学のサークルラウンジで、音楽や小説、漫画や社会の話をあれこれ喋るような感じで、学生時代の一番楽し思い出が再現されているような感覚」を大切にし、生放送のため、実際に顔を合わせて「物理的に集まらなければならない制約よって生まれるもの」を届けたいと述べる。

まだケータイがこれほど普及していなかった90年代半ばまでは、学生ラウンジやサークル部室には学生やOBが集まり、社会や将来についてのよまやま話に花が咲いたものだ。授業よりもそうした雑談にこそ学問のヒントがあったように思う。私自身が教室の中よりもキャンパスの内外で学んだことが今の自分を支えている。

長谷川氏自身が聴きたい内容を伝えるというのがコンセプトなのだが、私自身の不勉強を確認する意味でも、当事者感覚を味わいながら番組を聴き続けていきたい。

定点観測・国会前

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 昨年より東京新聞の土曜日の朝刊に、毎週金曜日に国会前で行われている反原発デモの一般の参加者の声が写真入りで紹介されている。私も毎週その記事を読み、参加気分を味わっていた。今週は毎週水曜日に「キャンプ座間」の前で座り込み行動をしている弁当店の店主の声であった。彼女は「基地と原発の問題は、どちらも子や孫の世代に負担を掛けるという点で、つながるものがある」とし、「将来の日本を支える若い世代には、基地や原発の問題を自分のこととして、もっと注目してほしい。インターネットを見て分かった気になるのではなく、こうした現場に足を運んでほしいですね」と述べる。

 インターネットの記事や動画を見て満足してしまう若者に対する強烈なカウンターパンチを放っている。私も行こう行こうと思いながら、仕事や育児、往復の手間などを言い訳に一度も訪れたことがない。寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」ならぬ、「ネットで済ますな、現場へ出よう」といった「行動し体験し、そして考える」必要性が問われている。