パンフレット研究:日産・自動車大学校

栃木、横浜、愛知、京都に4校ある日産の系列の4年制の自動車整備の大学校のパンフレットを読む。
1級自動車整備士の資格取得に向けたカリキュラムなので勉強の目的が見えやすく、また大学校なので専門の科目に専念できる。さらに、その後日産等のメーカー系列に就職ができる環境が整っているので、学生にとっては安心して勉強に打ち込める学校である。また、日産の最新の車両を扱いながら、学費は4年間で400万円と抑えられいるのでリーズナブルである。下手な大学の工学部に行って自分を見失うよりは親にとっても安心であろう。
女子学生が少ない学校なので、人寄せのためか在籍の女子学生の顔写真一覧のページもある。また、GT−RやフェアレディZ、シルビアといったスポーツカーを整備している写真が多く、車好きの少年の心をくすぶっている。
整備士養成のパンフレット一つとっても、車というのは一つの機械商品ではなく、人材育成から始まり、工場・販売網の拡張、商品流通のための町づくり、国づくりまで射程する一つの社会であるとつくづく実感した。

降旗節男という筑波大学の教授の著書の中で、日本の社会は全て自動車を売るために作られてきたという一節があったのをふと思い出した。自動車の広告のために新聞が発行され、自動車のCMのためにテレビが売られ、そして自動車を走らせるために国土が整備され、そしてそのような広告を鵜呑みにし自動車を購入する中流層を増やすための凡庸な学校教育が徹底したという論考であった。

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