松岡圭祐『千里眼』(小学館 1999)を一気に読んでしまった。
前作『催眠』に続く心理学をモチーフにした冒険活劇小説である。航空自衛隊F15パイロットを経て臨床心理のカウンセラーとなった女性が、国家転覆を図るカルト宗教団体との派手な立ち回りを演じる。後半は、教組に脳を改造された信者との格闘やら羽田空港管制塔に偽装電波を送信する巨大観音像、お台場上空での自衛隊戦闘機による追撃など、ヤン・デ・ボン監督の『スピード』を観ているようなスリル感あふれるアクションが展開される。話の辻褄が後半ほつれてくるが、それを補っても余りあるスピード感がこの著者の売りである。
『千里眼』
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