読売新聞大阪本社編『大学大競争:「トップ30」から「COE」へ』(中公新書ラクレ 2003)を読む。
「COE」とは「21世紀COEプログラム(Center of Excellence)」の略称で、「我が国の大学に世界最高水準の研究教育拠点を学問分野別に形成し、研究水準の向上と世界をリードする創造的な人材育成を図るため、重点的支援を行う」という文科省の大学院博士課程の重点的拡充のための呼び水的な政策のことである。これまでの予備校の模試結果からはじき出された偏差値による序列から、文科省がお墨付きを与える「旧帝大+一橋・東工大・筑波大・早慶」などの研究拠点校をトップとした序列への再編成が目論まれている。特にこれまで表面的には公平を前提とした国公立大学を大きく研究中心の大学と市民養成の教育中心の大学へと色分けしていくためのハードルとしてCOEは機能する。そのため神戸大や広島大、東京外語大、お茶の水女子大などの旧帝大に次ぐクラスの大学が文科省による色分けの当落線上にあり、COEへの採択状況の度合いが大きく今後の大学運営を左右するリトマス紙となっている。
『大学大競争』
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