月別アーカイブ: 2004年2月

『マンガ剣道教科書シリーズ 基本編』

少年剣道新聞社『マンガ剣道教科書シリーズ 基本編』(少年剣道社 1994)を読む。
小学生向けの本であるが、「剣道は手で打つな!足で打て!」という作中人物のセリフが印象に残った。
柔道でも空手、拳法、合気道でも同じであるが、柔道は決して力で投げるものではなく、また空手は拳だけで相手を制するのではない。あらゆる日本の武道の基本は腰の使い方と重心の安定である。腰にためをつくりつつ、腰の回転で力を生み出しながら、一方で腰の力を抜いて自分の身体を十二分に用いるといった武道の神髄に思いを馳せた。

どんよりした活気

今日は実家近くにある歯医者へ出掛けた。電車で2時間以上もあるが、途中久しぶりに神保町界隈を少し歩いてきた。靖国通り沿いの三省堂や書泉グランデあたりの光景は数年前とあまり変わらず、いつも通りの「どんよりした活気」が渦巻いていた!(笑)
途中の電車の中で、小学生が「戦争っ、軍艦軍艦朝鮮、朝鮮朝鮮ハーワイ、ハワイハワイ軍艦」と亜流ジャンケンを行っている光景を目にした。おそらくは第二次大戦中に流行ったものかと思われるが、あまりに露骨な遊びである。小学生が無自覚に「戦争」や「軍艦朝鮮」と口にしている姿には自衛隊派遣とあいまって不気味な雰囲気を感じてしまう。

『号令のない学校』

佐藤真知子『号令のない学校』(学陽書房 1989)を読む。
オーストラリアの自由な個性尊重の学校を紹介しながら、日本の学校の不自由さを批判するといったありきたりな内容である。
確かに日本の学校のいじめや不登校、転校の難しさなど風通りの悪さは指摘の通りだが、オーストラリアの学校に対する無批判な礼賛には頷きかねる。オーストラリアの豊富な資源、そしてそれゆえの裕福な社会環境、またアボリジニーに対する差別などオーストラリア社会全体を考慮にいれていかねばならない。教育環境は否が応でも国の思惑の影響が大きい分野である。常に教室と学校、そして学校と地域、そして国家との関係から論じていかねば危うい方向へ議論が進んでしまう。