さっき法政のホームページで文学部B方式昨年の問題を見てみました。漱石の『草枕』からの出題でした。作中の主人公と作者の両面で問題が構成されています。昨年の傾向からするに、あらかじめ設問を予測して、解答案を数枚用意して臨むと良いでしょう。
さて、『光と風と夢』は私も読んだことがなく、今日ぱらぱらと読んでみました。解説など読む限り、作者中島敦は主人公のスチーブンソンに植民地政策批判をさせるという形をとりながら、暗に当時の日本の軍部独走による植民地政策への不満を描いています。中島敦の作品は全体像がつかみにくいので、「ここは」と思うポイントに線を引いておくとよいです。ネット上に次のような記載がありました。
「宝島」「ジキル博士とハイド氏」の作者である。ロバート・ルイス・スチーブンソンの晩年を描いた伝記的作品です。喘息の発作に悩まされていたスチーブンソンは、療養のため、南洋のサモアに移り住みます。そこで見聞した風俗・習慣、現地人との交流。また、西欧諸国の殖民地的搾取を目の当たりにしての憤慨などをモチーフとしながら、著者は、スチーブンソンの口を借りる形で、政治的発言や、自らの芸術哲学を語っています。軍部による、検閲が厳しさをますなかでの、痛烈な殖民地政策批判を語り、また、芸術とは、人間とはを問い掛ける中島の渾身の力作です。主人公のスチーブンソンは、喘息の為め若死していますが、中島も、三十三歳という若さで亡くなってしまいました。
この解説を読む限り、ポイントは次の3点が狙われそうです。1:スチーブンソンのサモア住民に対する見方がどのように変化したのか、2:不自由な南洋に移り住んで、人間の本質に対する見方がどのように変わったか、3:イギリスの植民地政策を批判している箇所、などを抜き出すとよいでしょう。そして、それらのポイントとこの作品が書かれた1942年という時代を作者中島敦がどのように捉えていたのかという時代観とを合わせてまとめてみると良いのでは?
憶測で書きました。不明な点ありましたら、連絡ください。