湊かなえ『贖罪』(双葉文庫 2012)を読む。
2009年に刊行された本の文庫化である。短編集だと思っていて第1話だけ読んで、しばらく放っておいた本である。3週間ほどカバンに入れっぱなしで、今日再開したところ、止まらなくなった。登場人物の全員がタイトルにある贖罪を背負うという運命に導かれた内容で、著者の物語の構想力に驚かされる。オススメの一冊である。
「読書」カテゴリーアーカイブ
『ピーター流外国語習得術』
ピーター・フランクル『ピーター流外国語習得術』(岩波ジュニア新書 1999)を読む。
著者はハンガリー出身の数学者である。自身の変わった経歴を述べつつ、外国語や外国文化を学ぶ秘訣について語る。ちょうど知識・技能」だけでなく「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」を重んじる学習指導要領が年次進行で実施されている。20年以上も前だが、著者は知識だけでなく、それを応用させること、そして貪欲学んでいくことを重要視している。
学校に通うことの意味でいちばん大切なのは、決して知識を得ることではなく、知恵を得ることだと思います。どういう意味で知恵かというと、人生に必要と考えられる知恵です。そのなかでもいちばん大切なのが勉強の知恵、学習の知恵なのです。新しい情報をどうやって手に入れるのか、新しいことをどうやって学ぶのか、いままでできなかったことがどうやったらできるようになるのか、その過程を学校に通うことによって覚えて、変化していく世界のなかで日々応用できるようにする。これが勉強の知恵です。
『森はだれがつくったのだろう?』
ウィリアム・ジャスパソン文、チャック・エッカート絵、河合雅雄訳『森はだれがつくったのだろう?』(童話屋 1992)を読む。
森がどのように作られていくか、絵入りで説明する小学生向けの本である。最初のパイオニアツリーが生まれ、やがて別の種に置き換わり、日陰を好む中位の種も生まれ、落ち葉が腐食して柔らかい土が形成され、昆虫や動物が棲みつく極相林に落ち着いていく。ただ木を植えればよいというものではなく、競争や朽木、腐食などの段階を経て、200年かけて森が作られていく過程がよく理解できた。
『水 地球の彫刻家』
S・グリゴルエフ、M・エムチェフ『水 地球の彫刻家』(共立出版 1979)をパラパラと読む。
著者は旧ソ連の地質学者である。地殻とマントルの間に「排水殼」と呼ばれる2、300度の熱水帯があり、火山や地震、プレートの動きもと全て説明できるとしている。モホロビチッチ不連続面の上部に垂直方向に環流する熱水の動きが地球科学の肝だと述べる。アセノスフェアとの違いがよく分からなかった。
『大学活用法』
岩波書店編集部『大学活用法』(岩波ジュニア新書 2000)をパラパラと読む。
1度読んだことのある本だったが、内容は全て忘れていた。大学教授から漫画家、カメラマンなど多彩な人が大学で学ぶことを説く。といっても、大学での学問の説明ではなく、大学に捉われない二十歳前後の時間の使い方を指南する人が多かったのが印象に残った。
