読書」カテゴリーアーカイブ

『自転車五大陸走破』

井上洋平『自転車五大陸走破—喜望峰への13万キロ』(中公新書 1995)を読む。
タイトル通り、1987年6月から1993年の12月までの6年半の間に、世界5大陸を自転車で走破した旅(ほとんど生活)日記である。
乗っている自転車からカバンを盗まれたり、アフリカ・コンゴ民主共和国の反政府騒動の群衆に取り囲まれたり、南米・チリで友人を亡くしたりと、これまで読んだ20冊近い自転車旅の本の中でも一番の過酷な旅日記であった。
ちょうど冷戦の崩壊時期と重なっており、東欧諸国の風景やベルリンの壁の崩壊後の模様など、今となっては時代の流れを感じる内容である。
著者は50キロ近い荷物とともに1日百数十キロの旅を続けていた。ここまでの旅はできないが、1日に200キロ近く走れるくらいの筋力をつけるように日々のトレーニングを大事にしたい。

Image 3

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=xSRFZ5x1NlE[/youtube]

Image 1

Image

『格付けしあう女たち』

白河桃子『格付けしあう女たち—「女子カースト」の実態』(ポプラ新書 2013)を読む。
タイトルはバラエティ番組っぽいが、真面目な内容の本であった。特に明確な評価の基準がない専業主婦仲間における「カースト」の実態から、男女の生き方や価値観の違い、女性の選択肢の多様化、昭和的価値観の弊害など、話は拡がっていく。最後に、著者は「カースト」に縛られない生き方や社会のあり方まで具体的に提言している。
公平や協業、コミュニティを重視する女性の行動原理は、もともと対立や上下関係を作らないものである。しかし、「男性からの目線」や「女の幸せ」といった曖昧な価値観に晒されることで、容易にそれは極めて煩わしいものになると分析している。

『禁断のパンダ』

『このミステリーがすごい!』大賞の第6回大賞受賞作、拓未司『禁断のパンダ』(宝島社 2008)を読む。
2015年最後の読書にしようと思ったのだが、昼寝やら紅白歌合戦やらで、すっかり日をまたいでしまった。
新年のおめでたいムードにはそぐわない作品であったが、展開が読めず最後まで楽しむことができた。
また、近年のグルメブームの行き着く先を皮肉るような結末も良かった。
ただし、元日に読む作品ではないだろう。

『ぼくは くまのままで いたかったのに』

kumamama

イエルク・シュタイナー文、イエルク・ミューラー絵『ぼくは くまのままで いたかったのに槙』(ほるぷ出版 1978)を昨夜と今夜、子どもの寝かしつけに読んだ。
私が小学校の頃に買った本である。今更絵本なんてと思いながらも読んだ記憶がある。翻訳された文が読みにくいが、ベルトコンベア式の工場で働かされる自然のクマの絵が子供の心に突き刺さる。

『幸福の手紙』

内田康夫『幸福の手紙』(実業之日本社 1994)を読む。
ご存知名探偵浅見光彦が活躍するシリーズである。
浅見光彦と一緒に現場を辿るのが、内田作品の醍醐味なのに、今回の作品は、あまりに天才浅見光彦の頭の中の推理に頼るところが多く、読者が置いてけぼりになってしまい、あまり読後感が良くなかった。