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『見城徹 編集者 魂の戦士』

NHK「課外授業 ようこそ先輩」制作グループ『見城徹 編集者 魂の戦士:課外授業へようこそ先輩 別冊』(KTC中央出版 2001)をパラパラと読む。
角川書店を辞め幻冬社を立ち上げた見城徹氏が、小学校6年生のクラスで、2日間かけて実際に生徒の作文を編集するというテレビ番組の内容がまとめられている。編集の仕事は感動を伝えることだと言い切り、子どもたちの作文に思いっきり手を入れていく。
実際の生徒の作文の添削の様子などは読み飛ばしたが、次の一節が心に残った。

編集者というのは、自分が感動しないと動けないんですよ。(感動の具体的なシーン中略)感動しない限り、ぼくらの仕事というのは成立しないんです。感動しないものをやることぐらいつまらないことはない。せっかく生きているんだから、感動に出会ったほうがいいじゃないですか。感動に出会わない人生ほどつまらないものはなくて、感動すれば自分もまた変われるし、感動するということを自分のなかで知ったとき、とても人生が豊かになると思います。

『秦始皇陵兵馬俑』

陝西始皇陵俑坑考古発掘隊・秦始皇陵兵馬俑博物館編『秦始皇陵兵馬俑』(平凡社 1983)を眺める。
タイトル通り、秦始皇帝の兵馬俑の写真集である。一体一体表情が異なる兵士や馬をかたどった俑の詳細な写真集となっている。兵馬俑全体で8000体の兵士像が安置されているのだが、そのスケールの大きさは伝わって来なかった。

『身体感覚をひらく』

羽鳥操・松尾哲矢『身体感覚をひらく:野口体操に学ぶ』(岩波ジュニア新書 2007)をパラパラと読む。
野口三千三氏(1914〜1998)が考案した野口体操の入門書となっている。体操といっても、筋肉を鍛えるのではなく、その逆で重力を利用しながら力を抜き、身体の感覚に自覚的になるという体操である。

『夏泊殺人岬』

内田康夫『夏泊殺人岬』(講談社文庫 1993)を読む。
1983年に刊行された本の文庫化である。著者10作目の作品にあたり、浅見光彦もその他の有名刑事も登場しない異色の作品である。物語世界にさほど惹き込まれもしないが、読みやすいのでスルスルとページを捲っていった。

『平成男子図鑑』

深澤真紀『平成男子図鑑:リスペクト男子としらふ男子』(日経BP社 2007)を読む。
著者は「草食男子」「肉食女子」の名付け親としても知られ、平成世代の若者をスパッとカテゴライズする切り口が特筆に値する。平成世代の若者といっても、刊行当時20代半ばから30代半ばの団塊ジュニアを指しており、ちょうど私も含む、バブル以降に学生時代や社会に出た経験を持つ世代のことである。

草食男子のようなロハス男子、スピリチュアル男子、ツンデレ男子、ニュアンス男子に始まり、お買い物男子やマッスル男子、オカン男子、チェック男子、マルチ男子など、情報過多な時代にマッチした(流される)男子像に主観を交えた分析を加えている。

なかでも、ガンダム男子や少年ジャンプ男子が面白かった。ガンダム以前の「マジンガーZ」に代表されるヒーローロボットアニメが、ガンダム以降は「スーパーロボットもの」として区別されるようになり、敵味方がはっきりした二元的世界や勧善懲悪型の主人公ではない、「リアルろぼっともの」路線確立されたという。また、そうした系譜を受け継ぐのがエヴァンゲリオンだとも述べる。

著者も後書きの中で述べるように、「世代論やカテゴライズという手法は、物事を単純化させるあまり、かえって本質を見えなくさせてしまう」側面があるので、さらっと読み流して雑談のネタ程度に考えた方が良いだろう。