深澤真紀『平成男子図鑑:リスペクト男子としらふ男子』(日経BP社 2007)を読む。
著者は「草食男子」「肉食女子」の名付け親としても知られ、平成世代の若者をスパッとカテゴライズする切り口が特筆に値する。平成世代の若者といっても、刊行当時20代半ばから30代半ばの団塊ジュニアを指しており、ちょうど私も含む、バブル以降に学生時代や社会に出た経験を持つ世代のことである。
草食男子のようなロハス男子、スピリチュアル男子、ツンデレ男子、ニュアンス男子に始まり、お買い物男子やマッスル男子、オカン男子、チェック男子、マルチ男子など、情報過多な時代にマッチした(流される)男子像に主観を交えた分析を加えている。
なかでも、ガンダム男子や少年ジャンプ男子が面白かった。ガンダム以前の「マジンガーZ」に代表されるヒーローロボットアニメが、ガンダム以降は「スーパーロボットもの」として区別されるようになり、敵味方がはっきりした二元的世界や勧善懲悪型の主人公ではない、「リアルろぼっともの」路線確立されたという。また、そうした系譜を受け継ぐのがエヴァンゲリオンだとも述べる。
著者も後書きの中で述べるように、「世代論やカテゴライズという手法は、物事を単純化させるあまり、かえって本質を見えなくさせてしまう」側面があるので、さらっと読み流して雑談のネタ程度に考えた方が良いだろう。