読書」カテゴリーアーカイブ

『巨大古墳』

森浩一『巨大古墳:前方後円墳の謎を解く』(草思社 1985)をパラパラと読む。
主に大阪府堺市にある大仙陵古墳の建築について解説されている。小学生でも読めるように、簡単な漢字以外は一般の漢字を含めて全てに振り仮名が振られている。また全てのページにイラストがあり、大仙陵古墳の建造時のイメージをかなり具体的に持つことができる。

また当時の地形の調査から、堺付近は中世以前まで、500mほどの潟(ラグーン)に面しており、大仙陵古墳は潟の沖合の砂州の上に作られたという。大阪湾自体が、淡路島があるため波が穏やかなのに、その湾の中の更に波が穏やかなラグーンに堺港があったことが分かっている。ただし潟は砂が溜まりやすいので、砂を掻き出す職人が置かれていたようだ。しかし、他県の例に漏れず、後年に埋め立てられてしまい、現在ではその面影は全くない。

『哲学のことば』

左近司祥子『哲学のことば』(岩波ジュニア新書 2007)をパラパラと読む。
著者はギリシア哲学の研究者で、ソクラテスやアリストテレス、プラトンといった有名どころの哲学者の言葉の解釈や現代的意味について丁寧に述べる。
読みやすいのだが、展開に抑揚がなく、後半は読み流した。

『まるごと楽しむひつじ百科』

未来開拓者共働会議編『まるごと楽しむひつじ百科』(農文協 1992)をパラパラと読む。羊の種類に始まり、羊の飼い方や繁殖の仕方、羊の毛の刈り方まで丁寧に解説されている。羊に関するあれこれが、タイトル通り「まるごと」収録されている。羊が大きくなると書いて「美」、羊を食べると書いて「養」という漢字があるように、今から約1万年前、羊は最初に家畜化された動物である。

『熱帯林ってなんだ』

馬橋憲男『熱帯林ってなんだ:開発・環境と人びとのくらし』(築地書館 1991)を読む。
実際にカリマンタン島で暮らす現地のロングハウスを訪れ、持続可能な焼畑農業と土地が荒廃していくだけの焼き畑農業の違いや、都会に憧れ、共同生活を営む田舎暮らしを嫌う若者など関するルポルタージュとなっている。
また、現在の「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」に繋がるような提言もあった。

平和、開発、人権、それに環境の問題はたがいに密接にむすびついています。これらのうちのいずれかの問題の海瀬をはかるにも、他の問題をも同時に配慮しなければなりません。これは「学際的アプローチ」と呼ばれます。

『機関車先生』

伊集院静『機関車先生』(集英社文庫 2003)を少しだけ読む。
1994年に講談社から刊行された本である。私の記憶が正しければ、講談社が発行していた文庫本雑誌「IN★POCKET」に連載されていた小説である。確か、高校3年生の頃に読んでいたのであろうか。集英社文庫版は小学生でも読めるようにふりがながふってあって読みにくかった。

舞台は、作家伊集院静氏の出身地である、山口県防府市の沖合に浮かぶ野島という人口80数人の小さな島の小学校である。島の方が気になって調べたところ、築47年の4DKの一戸建てが150万円で売りに出されていた。そこで暮らす自分を少し思い浮かべた。