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『いま、アジアの子どもたちは…』

吉田ルイ子『いま、アジアの子どもたちは…:戦争・貧困・環境』(ポプラ社 1993)をパラパラと読む。
ベトナムやカンボジア、タイの3カ国で物乞いやスラム街生活、難民キャンプ暮らしを強いられている子どもたちを取り上げている。つい30年ほど前まで東南アジアは貧困に喘いでいたという状況が少し理解できた。

『火山灰は語る』

町田洋『火山灰は語る:火山と平野の自然史』(蒼樹書房 1977)をパラパラと読む。
タイトルにある通り、著者は火山灰研究の第一人者で、日本列島が形成された第四期(約260万年前から現代まで)学会の研究会の会長を務めている。火山灰の分布する地域や、層の暑さなどから、噴火した火山を特定し、どれほどの規模の噴火であったのか推測を加えている。

学術書に近い内容で、ほとんど頭に入ってこなかったが、第四期の火山灰は人間が生活する地球表面上を覆っているものであり、人間の生活に直に結びつくものである。著者は最後に次のように述べる。

現代の都会の生活は、ともすれば足もとに“土”があることを忘れさせる。しかしひとにぎりの火山灰土には、その由来や年代に応じた個性があることに思いをいたすならば、それは災害を軽減し、火山灰土の合理的な利用を発展させ、さらに地球の未来を洞察する上のみなもととなるにちがいない。

『トライアル』

真保裕一『トライアル』(文春文庫 2001)を読む。
1998年に刊行された本の文庫化である。競輪をテーマにした「逆風」と競艇をテーマにした「午後の引き波」、オートレースをテーマにした「最終確定」、競馬をテーマにした「流れ星の夜」の4作品が収録されている。会場入りしたら外部との連絡禁止ルールや中央競馬と公営ギャンブルの舞台裏が丁寧に描かれており、ドラマよりも舞台設定の方に関心が向いた。

『海と親もう』

伊藤勝敏『海と親もう:遊ぶ・観察する・学ぶ』(岩波ジュニア新書 2007)をパラパラと読む。
著者は生物学者ではなく、海中写真家であり、海辺に暮らす動物や植物の写真が豊富に収められている。コブダイやウミウシなどの写真が気持悪くて印象に残った。

『黄泉から来た女』

内田康夫『黄泉から来た女』(新潮社 2011)を読む。
著者が70代後半だった頃の作品である。京都府宮津市天橋立と山形県鶴岡市羽黒町手向の2つの町を舞台に起こった連続殺人事件に浅見光彦が挑む。名探偵浅見光彦の閃き通りに謎が解けていくので、幾分興味が削がれたが、出羽三山を参拝する千葉県の講の話など興味深かった。内田康夫ミステリーとして完成度の高い作品であった。

千葉県立中央博物館のホームページから引用してみたい。

千葉県は全国的に見てもとりわけ出羽三山への信仰が盛んな地域として知られており、「男は一生に一度は三山(サンヤマ)に行くもの」という意識が根強くあります。サンヤマといえば千葉県では出羽三山のことで、サンヤマへの登拝を「奥州参り」といいます。出羽三山への登拝は、山に集まる先祖の霊を供養するためであり、また、山を巡ることで生きながらにして死後の世界を体験し、穢れに満ちた身を捨てて蘇ること(擬死再生)ができると考えられています。