読書」カテゴリーアーカイブ

『一寸法師』

江戸川乱歩『一寸法師』(ポプラ社 1973)をささっと読む。
Wikipediaで調べたところ、1926年12月から1927年2月まで、『大阪朝日新聞』に連載された小説である。ラジオ放送が始まったばかりの頃で、「新聞やラジオが報道した」との記述がある。また、「吾妻橋付近の貧窟街」や「ふろの焚き口に火を焚べる」など、昭和初期の時代を感じる文言が印象に残った。

殺人事件が発生しているので、変装やらトリックのオンパレードの怪人二十面相シリーズではない。被害者が実は加害者かと思いきや、最後の最後でどんでん返しがあり、最後のページまで犯人が分からないようになっている。これまたWikipedia情報だが、連載の終わった1927年に映画化もされている。

『池上彰の学べるニュース』

池上彰『池上彰の学べるニュース:1』(海竜社 2010)を読む。
ちょうど民主党政権に切り替わったところだったので、事業仕分けや連立政権の仕組みなどが分かりやすく紹介されている。とりわけイエメンの項でシーア派とスンニ派の説明がすっきりと分かりやすかった。

シーア派は、イスラム教の創始者であるムハンマド亡き後、後継者の順番としては4番目に当たるアリーにつながる血筋の人こそが正統であるとし、彼の元に集結しようという立場。血筋を重んじる宗派です。
これに対してスンニ派は、「後継者など誰でもよい。イスラムの伝統と習慣を守っていくことこそが大事である」とする宗派です。

「UAEはアラブの王さまの国が集まってつくった国」と理解していただいていいでしょう。

『馬を描く』

劉生展・殷占堂『馬を描く』(美術出版社 1989)を眺める。
馬の躍動感を描いた中国画の画集である。黒一色の筆一本で描かれるのだが、馬の尻尾がちょうど書道の払いのようで興味深かった。南船北馬という言葉があるように、中国北部では馬は生活に欠かせないものであった。農耕や輸送、戦争や儀式、そしてスポーツと、人間と触れ合う馬の表情は穏やかである。

『海を見にいく』

椎名誠『海を見にいく』(本の雑誌社 1986)を読む。
国内外の海の写真を交えながら、海にまつわる思い出やエッセー、小説が綴られている。
アリューシャン列島に位置する小島やニューギニア島の東にあるトロブリアンド諸島、八丈小島など、およそ観光地ではない海が興味深かった。

『まほろ駅前多田便利軒』

第135回直木三十五賞受賞作、三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』(文春文庫 2009)を読む。
2006年に刊行された本の文庫化である。東京・神奈川の住民であれば、すぐに町田市と分かるリアルな物語舞台が設定されている。
様々なドラマが生まれるのだが、いまいち刺さらなかった。