『十六歳のギリシア巡礼記』

二田原阿里沙『十六歳のギリシア巡礼記』(筑摩書房 1987)をパラパラと読む。
タイトル通り、執筆時玉川学園高等部に在籍していた高校生の著書である。彫刻家の父と一緒にギリシアの遺跡や彫像を巡る10日余りの旅日記である。
亀井勝一郎の『大和古寺風物誌』を思わせるような、老成した文章で、ギリシア遺跡から触発された様々な思いが綴られている。もしこれが本当に女子高校生が一人で書いたならば、平野啓一郎もびっくりの逸材である。残念なことに、この本以降はイタリア語会話の本を最後に筆を置いている。

内容はあまり入ってこなかったが、ギリシア遺跡が石灰岩で白く輝いていることだけは白黒の写真からもよく分かった。