地理」カテゴリーアーカイブ

「内戦複雑化 終息見えず」

本日の東京新聞朝刊に、大国や隣国の思惑が交錯するシリアの情勢が報じられていた。2010年の「アラブの春」以降、地中海への足場を確保したいロシアが支援するアサド政権と、アメリカが支援する反政府組織との間で激しい戦いが継続している。さらに内戦の間隙を縫って過激派組織「イスラム国」が勢力を拡大してきた。また「国家を持たない世界最大の民族集団」とも呼ばれるクルド人が自治権拡大を狙うと、隣国トルコが介入を繰り返している。そうこうする内に、イランまでがシリア内戦に加わり、さながら、世界紛争の見本市のような惨憺たる状況となっている。

今年度の地理の授業でふれたが、このシリア内戦から逃れたシリア難民がヨーロッパに流入することで、難民に寛容だったドイツ・メルケル政権に批判が高まり、英国はEUを離脱するなど、大きな国際政治の火種ともなっている。

次年度の地理の授業でも、こうした動きについてフォローしていく説明に工夫を凝らしていきたい。

「人気の『デーツ』の特徴は?」

本日の東京新聞朝刊に、ナツメヤシの実であるデーツが紹介されていた。
ナツメヤシは乾燥に強い作物で、砂漠気候帯のオアシス農業に関する授業で必ずと言ってもよいほど扱われる。来年度の授業で試食してみようかと思う。

今年度の授業では昆虫食を取り上げた。本当は実際に味わってみましょうと試食も検討したのだが、ウイルス感染拡大防止の観点からおじゃんになってしまった。来年度は少し改善されていると良いのだが。

「政治に志あれば脱原発しかない」

本日の東京新聞朝刊に、小泉純一郎元首相のインタビューが掲載されていた。
原発ゼロを進められる政治家はいるかとの記者の問いに、小泉氏は論語の一節を引用し、次のように答えている。変化をしないということは責任を負わないということである。これまで通りのやり方を踏襲していけば、表立って批判に晒されることも少ない。しかし、そのような風潮が蔓延すると、誰しもがマニュアルに従っていくだけの行動しか取らなくなり、何か問題があればマニュアルがおかしいと文句を口にするだけの不健全な組織になってしまう。小泉氏はそうした日本社会全体に警鐘を発している。

「信なくば立たず」だ。国民に信頼されなければ政治は成り立たない。志がある人間がトップに立ち、民衆の信頼を得られれば、必ず実行できるはずだ。電力会社や経産省が原発にこだわるのは、戦前、陸軍が満州(中国東北部)にこだわっていたのと似ている。連合軍は日本に満州撤退を求めたが、日本にとって満州国は、関東軍が占領して以来、多くの犠牲を払いながら守ってきた生命線。陸軍は撤退しないと固執し、内閣が押し切られ「必ず敗れる」とされた戦争に突入し、負けた。大事なのは過去に築いたものを守ることではなく時代の変化に応じて未来を築くこと。そのためには諦めることも必要だ。

「日鉄『50年温室ガスゼロ』」

本日の東京新聞朝刊に、粗鋼生産量で国内最大手、世界でも第3位の日本製鉄の中期計画の内容が報じられていた。普段なら読み過ごしてしまう内容だが、「水素を使った製鉄の実用化」のところで目が留まった。

3学期の授業で、オーストリアの中央部に位置するウルルがなぜ赤いのかという問いの中でも触れたが、製鉄は酸化鉄(Fe2O3)である鉄鉱石をコークス(C)や石灰岩(CaCO3)を用いて還元することで作られる。化学反応式を書いて見れが分かるが、製鉄の過程で大量の二酸化炭素が排出される。

そこで、日本製鉄では水素(H2)を用いた製鉄の実用化を目指すという。私は化学が苦手なのだが、単純にFe2とH2Oaが生成するだけで済むのだろうか。来年度化学を選択する皆さんはどう考えますか。