「政治に志あれば脱原発しかない」

本日の東京新聞朝刊に、小泉純一郎元首相のインタビューが掲載されていた。
原発ゼロを進められる政治家はいるかとの記者の問いに、小泉氏は論語の一節を引用し、次のように答えている。変化をしないということは責任を負わないということである。これまで通りのやり方を踏襲していけば、表立って批判に晒されることも少ない。しかし、そのような風潮が蔓延すると、誰しもがマニュアルに従っていくだけの行動しか取らなくなり、何か問題があればマニュアルがおかしいと文句を口にするだけの不健全な組織になってしまう。小泉氏はそうした日本社会全体に警鐘を発している。

「信なくば立たず」だ。国民に信頼されなければ政治は成り立たない。志がある人間がトップに立ち、民衆の信頼を得られれば、必ず実行できるはずだ。電力会社や経産省が原発にこだわるのは、戦前、陸軍が満州(中国東北部)にこだわっていたのと似ている。連合軍は日本に満州撤退を求めたが、日本にとって満州国は、関東軍が占領して以来、多くの犠牲を払いながら守ってきた生命線。陸軍は撤退しないと固執し、内閣が押し切られ「必ず敗れる」とされた戦争に突入し、負けた。大事なのは過去に築いたものを守ることではなく時代の変化に応じて未来を築くこと。そのためには諦めることも必要だ。