本日の東京新聞夕刊一面に,欧州議会の選挙で,欧州連合そのものに懐疑的な勢力が半数を超えたとの記事が掲載されていた。
第2次大戦の反省を活かし,難民に寛容であった欧州であるが,中東を中心としたイスラム教徒やクルド人の難民の受け入れを巡って欧州各国に亀裂をもたらしている。また欧州域内の人・物・金の自由化が,欧州内のいざこざに終止してしまい,米国や中国の貿易圏の拡大に為す術をなくしてしまっている。政治的にも経済的にも軋みが生じている欧州が今後,世界に対し,どれほどのスケールメリットを示せるだろうか。
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「衛星で風予測 燃費◎飛行」
本日の中間考査で恒常風の一つである偏西風について出題しました。
亜熱帯高圧帯から亜寒帯低圧帯に向かって吹き出した風が,地球の自転の影響で西風になるというものです。
詳細は物理の範囲であるコリオリの力に関係するところなので,その理屈までは踏み込みませんが,東西を移動する航空機の飛行時間に大いに関係してくるところになります。
ちょうど本日の東京新聞夕刊一面に,その偏西風の流れを衛星から捉え,航空機の飛行ルートに活用しようという内容の記事が掲載されていました。
記事によると,ANAとJAXAが共同で,レーザー光を大気中に発射し,微小粒子の動きを測定して風向や風速を観測し,その観測データから効率的な飛行ルートを構築するシステムを開発しているとのこと。
40代の私はつい,昭和を代表するアニメ「初代・機動戦士ガンダム」に登場した「ミノフスキー粒子」を想像してしまうのですが,これだけ衛星観測技術が進展した現在においては,微小粒子はすでにSFのアイテムではない。
ここ数年,航空機にまつわる事故や事件が増えており,安全な飛行のためにも,観測データの活用が望まれる。
「英ボストン―移民との共存を模索」
「鉄鋼とアルミ追加関税 米、カナダとメキシコ除外」
本日の東京新聞夕刊に,米国が共に自由貿易協定(FTA)を結ぶカナダとメキシコに対し,鉄鋼とアルミニウムが輸入される際の追加関税をしないと発表したとの記事が掲載されていた。
FTAとは,自由貿易協定の訳であり,2国間または地域間(多国間)で交わした協定により,関税や非関税障壁を相互に撤廃し,自由貿易を行うための取り決めのことである。主な地域間FTAに、EU(欧州連合)、NAFTA(北米自由貿易協定)、メルコスール(南米南部共同市場)などがある。しかし,NAFTAについては,トランプ大統領就任後,貿易赤字の解消のため,自由貿易そのものが疑問視されていた。
記事によると,NAFTAを解消し,経済好調な米国に追従するためのUSMCA締結が目論まれているようだ。ちょうど今回の地理Bの中間考査に貿易が含まれるが,もしNAFTAを出題するとしたら,但し書きがたくさん必要になりそうだ。
「食品ロス 削減のカギは家庭&外食」
本日の東京新聞朝刊に,食品ロスに関する記事が掲載されていた。 記事によると,2016年度の日本国内の食品ロスは推計643万トン,そのうちコンビニやスーパーなどの小売業は全体の1割り程度に過ぎず,製造業は137万トン,外食は133万トンと上回り,家庭は291万トンと全体の4割超を占める。国民1人あたりの食品廃棄量は約51キロであり,コメの1年間の平均消費量の54キロに匹敵する。
主食うんぬんの議論は喧しいが,同じくらいに食品を無駄にしている現実に目を向けていくべきである。 昨年の授業でも,恵方巻きのコンビニやスーパーでの食品ロスについて扱ったが,
記事の最後にあるように,「食品の鮮度にとりわけ敏感と評される日本の消費者が,食品ロス削減との兼ね合いで食習慣をどこまで見直すのか。一人一人の行動が問われている」のである。 特にコンビニでは「経営ロス」を削減するために,十二分な品揃えを売りにしてきたが,いよいよそうしたコンビニのビジネスモデル自体が曲がり角にきているのである。
2学期以降の授業の中で,そうした小売業のメリット・デメリットについて深く学ぶことができるように,まずは担当者が研鑽を深めていきたい。





