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「スコットランド 独立熱再び」

こちらも本日の授業で紹介したスコットランド独立の動きに関する報道です。
イギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と言います。グレートブリテン島にあるイングランド、ウェールズ、スコットランドと、アイルランド島の北アイルランドの4つの連合体です。

イギリスがEUを離脱する中で、再びスコットランドがUKから独立する動きを見せています。中国の故事に「鶏口牛後」という言葉があります。大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって責任を全うする立場にいるほうがよいという意味です。私も違和感を抱えてスコットランドがイングランドに振り回されるよりは、思いきって独立して、スコットランドの矜持を見せるべきだと思います。但し、スコットランドに独立して国民を養うだけの農業生産や産業技術、資源があるのかというと、疑問符が付き纏います。

わたしは「判官贔屓(ほうがんびいき)」なので、米国や中国、オーストラリアといった国土や資源に恵まれた国よりも、小さくて確たる産業も資源もなく独立した国を応援したいという気持ちがあります。東ティモールや南スーダン、香港、台湾、アフリカ・中南米諸国にどうしても肩入れしてしまいます。

中国・春秋時代の伝説の思想家に老子という人物がいます。彼は理想的な国家のあり方として「小国寡民(国土が小さくて、人口が少ないこと)」を唱えました。現在の生き馬の目を抜くような国際政治においても、十分に価値を持つ考え方だと思います。

閑話休題。スコットランドの独立については、今後もフォローしていきたいと思います。

「ベラルーシ 反政権派幹部拘束」

昨日、本日とipadOSのアップデートに伴う不具合で、プロジェクターと繋がらなくなり、授業が遅滞し済みませんでした。色々とググってみたのですが、どうやら次のアップデートを待つしかないようです。しばらく個人用のiphoneで代用するしかないですね。

本日の授業で紹介したベラルーシに関する記事です。記事の画像をクリックすれば、読める大きさになります。授業でもお話しましたが、ベラルーシに隣接するバルト三国やポーランドは、英米を中心とする軍事同盟)北大西洋条約機構)に加盟しています。また、ベラルーシの南側にあるウクライナも近年脱ロシアに舵を切っています。

ロシアは旧ソ連崩壊後も、地政学的に西欧との緩衝地帯となるベラルーシを影に日向に支援してきました。しかし、そうしたロシアの資源外交を支えるベラルーシ独裁政権温存政策も通用しなくなってきました。おそらくはウクライナとロシアを巡る確執が背景にあるのでしょう。授業の中でロシアのプーチン 大統領が乗り出すと予想をぶちかましましたが、果たして今後の情況はいかに?

「マリ 政府・議会解散」

本日より長い2学期がスタートしました。
短い夏休みはいかがお過ごしだったでしょうか。
猛暑・酷暑の最中、体調と気持ちは大丈夫ですか?

本日の東京新聞

「プーチン氏が『支援』表明」

本日の東京新聞夕刊より。
昨日の記事で、ベラルーシにおける反政権デモの高揚に対して、ルカシェンコ大統領がプーチンに支援を要請したとの報道がありました。プーチン氏が大統領選挙における不正疑惑を解明する前に、支援を表明したとのことです。

少し難しい話になってしまいますが、ベラルーシ国内には、ロシアで産出した天然ガスのパイプラインが建設されています。ベラルーシを経由してドイツまで繋がるロシア経済の生命線です。記事の中でベラルーシがエネルギー分野で脱ロシア化を推進しているとありますが、これを機にロシアとベラルーシの関係は元の鞘に収まっていくのではないでしょうか。

実は、ベラルーシだけでなく、ロシアの天然ガスパイプラインが建設されている国では、ロシアの後ろ盾による独裁国家が蔓延っています。カスピ海に面したアゼルバイジャンやカザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンなどの旧ソ連の国々が、ロシアとの資源取引で利益を独占する体質から抜け出せずにいます。一方で、そうしたロシアの資源外交の籠絡に反旗を翻したのがウクライナです。ソチオリンピックが開催された2014年に激しい衝突が起きました。

おそらくプーチンは周辺の親しい独裁国家がウクライナのようにならないように、様々な手心を加えていくことでしょう。2学期後半の授業で、地図帳を確認しながら、中央アジアやコーカサス地方の政治経済の難しさに触れていきたいと思います。

「ベラルーシ抗議拡大」

本日の東京新聞朝刊より。
今月上旬に行われたベラルーシの大統領選挙後の状況について伝えられています。

ベラルーシといってもピンと来ない生徒が大半でしょう。地図帳で確認してみてください。大国ロシアの西側にあり、ポーランドやバルト三国、ウクライナと国境を接しています。一人当たりGDPは6,283ドルとなっています。ちなみに一人当たりのGDPが1万ドルに達するか否かが、安定した生活ができる国かどうかの判断基準の一例となります。ちなみに失業率が日本に比べて圧倒的に低く、0.3%(本当かいな?)となっている。

ベラルーシという国は、東欧革命と称される1991年まで、ソビエト社会主義共和国連邦に属していました。1991年を前後として多くの旧ソ連の国家がロシアの軛(くびき)を離れて、資本主義の国家として独立していきました。上述したリトアニアやラトビア、エストニアなどのバルト三国は、旧ソ連が崩壊した翌年の1992年に、西欧を中心に発足したEUに参画しています。

その他、ウクライナやポーランド、ジョージア(グルジア)、チェコ、スロヴァキア、ルーマニア、ブルガリア、中央アジア諸国などが、1991年以後に相次いでロシアの威圧から独立していきました。そうした渦中で、ベラルーシのルカシェンコ大統領だけは、ソ連崩壊後もロシアとの緊密な連携を掲げて、1994年に当選後、25年以上渡って独裁政権を続けています。

大事な点は、ロシアにとってベラルーシは、西欧との緩衝地帯として、地政学的に使い勝手が良い国だということです。ベラルーシという独裁国家を介在させることで、米国や西欧からロシアへに対する批判の風除けとしているのです。ちょうど中国が北朝鮮を表向きは糾弾しつつも裏側では国家が倒れない程度に支援しているのと同じです。

記事の最後に、ルカシェンコ大統領がロシアのプーチン大統領に支援を要請したのではとありますが、ベラルーシの一連の大統領選の結果改竄疑惑の収斂の鍵を握るのはプーチン大統領でしょう。反大統領派や西欧がいくら文句をつけたところで、最後はプーチン大統領の意向で趨勢が決すると思います。

ちなみに、プーチン大統領は大変興味深い人物です。漫画やアニメのように益荒男ぶりを強調します。嫌悪を通り越して笑ってしまうほどです。プーチン・カレンダーなるものもAmazonで販売されています。3・4組の1学期の授業ではプーチンのスライドショーを紹介しました。1・2組でもご披露したいと思います。