「ベラルーシ抗議拡大」

本日の東京新聞朝刊より。
今月上旬に行われたベラルーシの大統領選挙後の状況について伝えられています。

ベラルーシといってもピンと来ない生徒が大半でしょう。地図帳で確認してみてください。大国ロシアの西側にあり、ポーランドやバルト三国、ウクライナと国境を接しています。一人当たりGDPは6,283ドルとなっています。ちなみに一人当たりのGDPが1万ドルに達するか否かが、安定した生活ができる国かどうかの判断基準の一例となります。ちなみに失業率が日本に比べて圧倒的に低く、0.3%(本当かいな?)となっている。

ベラルーシという国は、東欧革命と称される1991年まで、ソビエト社会主義共和国連邦に属していました。1991年を前後として多くの旧ソ連の国家がロシアの軛(くびき)を離れて、資本主義の国家として独立していきました。上述したリトアニアやラトビア、エストニアなどのバルト三国は、旧ソ連が崩壊した翌年の1992年に、西欧を中心に発足したEUに参画しています。

その他、ウクライナやポーランド、ジョージア(グルジア)、チェコ、スロヴァキア、ルーマニア、ブルガリア、中央アジア諸国などが、1991年以後に相次いでロシアの威圧から独立していきました。そうした渦中で、ベラルーシのルカシェンコ大統領だけは、ソ連崩壊後もロシアとの緊密な連携を掲げて、1994年に当選後、25年以上渡って独裁政権を続けています。

大事な点は、ロシアにとってベラルーシは、西欧との緩衝地帯として、地政学的に使い勝手が良い国だということです。ベラルーシという独裁国家を介在させることで、米国や西欧からロシアへに対する批判の風除けとしているのです。ちょうど中国が北朝鮮を表向きは糾弾しつつも裏側では国家が倒れない程度に支援しているのと同じです。

記事の最後に、ルカシェンコ大統領がロシアのプーチン大統領に支援を要請したのではとありますが、ベラルーシの一連の大統領選の結果改竄疑惑の収斂の鍵を握るのはプーチン大統領でしょう。反大統領派や西欧がいくら文句をつけたところで、最後はプーチン大統領の意向で趨勢が決すると思います。

ちなみに、プーチン大統領は大変興味深い人物です。漫画やアニメのように益荒男ぶりを強調します。嫌悪を通り越して笑ってしまうほどです。プーチン・カレンダーなるものもAmazonで販売されています。3・4組の1学期の授業ではプーチンのスライドショーを紹介しました。1・2組でもご披露したいと思います。