細矢治夫『化学をつかむ』(岩波ジュニア新書 1983)をパラパラと読む。
折り紙で実際に正三角錐や正八面体を作ってみることで、分子構造を手に取るように理解しようという趣旨の内容である。後半になると分子結合式も複雑になってきて、正十二面体や正二十面体なども登場してくる。
分子の周期表で有名な「H He Li Be B C N O F Ne(水兵のリーベの僕の船)」の覚え方だが、リーベというのはドイツ語で「恋人」という意味だそうだ。そう考えると深い内容のポエムとも読み取れる。
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「ハイチ大統領暗殺1年」
本日の東京新聞朝刊記事より。
本日の1限の授業で期末考査を返却できなかったので、経済破綻した南アジアのスリランカと、政治が破綻した中米のハイチを取り上げた。ハイチの説明で大統領が暗殺され、政治が全く機能していない犯罪多発の救いようのない国家だと蔑むような説明をした。
しかし、その後、日本の安倍元首相の銃暗殺事件が報じられ、ハイチを馬鹿にできな日本の情勢に恥じ入ることとなった。
真偽のほどは不明だが、1906年伊藤博文が現在の中国黒龍江省にあるハルビン駅で銃で撃たれた直後、自分を狙った犯人(安重根)が朝鮮人だったということを知り、「馬鹿な奴だ」と呟いたそうだ。テロで元首相を暗殺しても何の政治的な効果はなく、むしろ反感を買うだけの逆効果であり、朝鮮の独立が遠のくだけだという意味の言葉を遺したとも言われている。
安倍元首相も凶弾に倒れる寸前に、「馬鹿な奴だ」と呟いたのであろうか。
『都市の自然を歩こう』
富村周平編著『都市の自然を歩こう』(岩波ジュニア新書 1995)をパラパラと読む。
札幌、仙台、東京、名古屋、京都、大阪、福岡の各都市の中心部から30分程度で行ける郊外の自然が紹介されている。東京であれば狭山丘陵や国分寺崖線、京都であれば鞍馬山と、電車で会いに行ける動物や昆虫、植物などが写真入りで説明されている。
巻末に執筆協力者の名前ががずらっと並んでおり、情報だけがまとめられた学習参考書を読んでいるような気分になり、途中で読むのをやめてしまった。
『脱・「英語人間」』
遠山顕『脱・「英語人間」』(日本放送出版協会 2001)をパラパラと読む。
雑誌『現代英語教育』に連載された内容に加筆修正が加えられたもので、英語に関する話題よりも、英語圏に暮らす人々との考え方の違いが述べられている。下の名前で呼び合う文化や「Hi !」の一声で話を始めるコミュニケーションなど、興味深い内容が多かった。心身の疲れがなければ読み通せたのに。
『青春ロボコン』
古厩智之『青春ロボコン:「理数系の甲子園」を映画にする』(岩波ジュニア新書 2004)をパラパラと読む。
タイトル通り、2003年に著者が監督を務めた映画『ロボコン』の撮影過程がまとめられている。私も実際に映画館で映画を観ているので手に取ってみた。
しかし、中身はというと、全210ページ中180ページが映画の台本である。監督が家で一人で作り上げる台本という世界観と、実際の現場でキャストやスタッフが総出で作り上げる映像作品との齟齬を監督自身が振り返るという、極めて日記文学テイストあふれる内容である。よくも岩波ジュニア新書編集部がこういった安易な企画を立てたものだ。

