投稿者「heavysnow」のアーカイブ

『レンズの向こうに自分が見える』

野村訓『レンズの向こうに自分が見える』(岩波ジュニア新書 2004)をパラパラと読む。
刊行時、大阪府立大手前高校定時制の教諭だった著者が、顧問を務めていた写真部の生徒が写真を撮ることを通して、自分と見つめ合い、そして成長していくプロセスを語る。

たった一言で、それまでトラウマを抱えて生きてきた生徒が目を輝かせる奇跡が描かれるのだが、教育現場に身を置くものとしては、美談調で学校ドラマ仕立てなのが気になった。実際の学校教育は徒労の積み重ねである。カメラを通して、部活動を通して生徒を支えていくことに異論がある訳ではない。一冊の本になった時に、あまりに切り捨てられているところが多すぎる。

「レバノン・イスラエル 海洋境界線画定案に署名」

本日の東京新聞朝刊に、中東レバノンとイスラエルの海洋境界線最終案に両国が署名したとの記事が掲載されていた。

レバノンというと、3年前の2019年にカルロス・ゴーン元日産CEO(最高経営責任者)が、保釈中であったにも関わらず、作業員に変装し音響機材の荷物の中に隠れて日本から逃亡した先の国の印象が強い。また2年前の2020年には、港湾に放置されていた硝酸アンモニウムが爆発し、映画さながらの惨事(下記動画参照)になったことも記憶に新しい。

記事にもあるが、高い失業率やインフレに悩むレバノンが交渉を焦ったのであろう。レバノン側が国家として認めていないイスラエルとの間で国境(正確には海洋境界線)を画定させるという不思議な協議という印象は拭えない。地図を見る限りでは妥当なところで境界線が引かれているように感じるが。

「フィリピン米軍拠点 10ヶ所 に倍増を協議」

本日の東京新聞朝刊に、米国とフィリピンの防衛協力の拡大が報じられていた。フィリピンには日本とは異なり米軍基地が置かれていない。しかし、今年に入ってからいよいよ中国の南シナ海への軍事進出に耐えかねて、米軍がフィリピン軍の軍事施設を利用する形で米比軍事合同演習が再開されている。

南シナ海は中国、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイの6カ国に挟まれた場所に位置し、大陸棚となっているため豊富な漁業資源が存在する。6カ国が領有権を主張しており、国境が定まっていない。また、その中心近くに莫大な天然ガスや原油が埋蔵されていることが調査で分かっている。

フィリピンは米国の植民地だったため、政治的には親米的な流れと反米的な流れの両面がある。中国も米国もフィリピンが御し易いと判断したのか、ASEANの一角であるフィリピンの切り崩しに動いている。ちょうど授業で東南アジアを扱うので、授業の中で取り上げてみたい。

『サイクルスポーツ攻略法』

五十嵐髙『サイクルスポーツ攻略法』(岩波ジュニア新書 1988)をパラパラと読む。
一度読んだことある本だと思い出したので、少し興味を無くした。
ただし、歴史は繰り返すというか、最近グラベルロードバイクが流行っているが、40年前にもブリヂストンMB1.という元祖グラベルロードバイクが存在していた。

良くも悪くも自転車は人間が漕いで走るものなので、パーツは進化しても、コンセプトそのものは変わらないのであろう。

『ご近所のムシがおもしろい!』

谷本雄治『ご近所のムシがおもしろい!』(岩波ジュニア新書 2012)をパラパラと読む。
ミミズの糞の有効な活用法やタニシの実態などがよくわかった。取り上げられているムシは、ザリガニ、タニシ、カブトエビ、カエル、トンボ、イモリ、カメ、サンショウウオ、アメンボ、ゲンゴロウ、ミミズ、カタツムリ、カマキリ、カメムシ、コオロギ、セミ、ヘビ、アゲハチョウ、クモ、アブラムシ、カブトムシ・クワガタ、蛾、ゴキブリ、ナナフシ、ゴミムシ、ダンゴムシ、ヤモリ、テントウムシ、ツマグロヒョウモン、カナヘビの30匹である。どれも専門家ではなく経験談で語られているので面白かった。