石ノ森章太郎『【マンガ】日本経済入門』(日本経済新聞社 1987)を読む。
プラザ合意以降、急激に円高が進む中で、生き残りをかけた銀行の企業買収や海外進出に追い込まれていく自動車産業の緊迫感のあるドラマが描かれる。アメリカの大手証券会社や大蔵省まで巻き込んで展開される国際ビジネスの現場感覚が伝わってきた。
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『活断層』
金子史朗『活断層:地震の謎を探る』(講談社現代新書 1979)を読む。
著者は東京文理大学の大学院地学科を卒業され、高校教諭を経て科学ジャーナリストになった方で、地震の専門家ではない。現在では地震はプレートの動きによって発生するものだと当たり前のように考えられているが、著者は活断層の動きと地震の関連について、丁寧にゼロから論じている。
「ベラルーシ・ロシア首脳会談」
本日の東京新聞朝刊にベラルーシのルカシェンコ大統領とロシアのプーチン大統領の仲睦まじい会談の様子が報じられていた。今年度の授業ではベラルーシについてほとんど触れることができなかった。ベラルーシはロシアとポーランドやリトアニア、ラトヴィアなどのEU諸国のちょうど中間に位置する。かつては白ロシアと呼ばれ、かつてのロシア帝国の一部であったため、言語的にも宗教的にも極めて近く、経済的にもロシアとの貿易が5割を占める。いずれは国家統合のような方向も検討されているほどロシアに近い国である。
一方でロシアと距離を取るような態度を表明しているため、欧米もベラルーシを攻撃する正当な理由がない。そのため、ベラルーシがロシアを欧米から守る緩衝材の働きをしている。当のルカシェンコ大統領も不正な選挙を経て当選したと批判されており同じ穴の狢(むじな)である。
『少年法』
澤登俊雄『少年法:基本理念から改正問題まで』(中公新書 1999)をぱらっと読む。
著者は國學院大学で長く教鞭を取られた研究者で、刑法・刑事政策、特に少年法を専門としている。そのため、特に1997年神戸連続児童殺傷事件以降強くなった少年犯罪への厳罰化の声に対し、丁寧に少年法の理念と保護手続きの解説、および少年犯罪の数値的な検証を試みている。刑事手続に関する話が中心だったので、ほとんど読み飛ばしてしまった。
最後に、著書は被害者感情や社会感情に配慮し、被害者救済制度が非行少年保護制度と同じ比重で議論され、内容が充実することが、少年法の理念を発展させるうえで重要となると述べている。
『都づくし旅物語』
長野まゆみ『都づくし旅物語:京都・大阪・神戸の旅』(河出書房新社 1994)をパラパラと読む。
前半はJR西日本が発行している情報誌に連載された3都への旅のエッセーとなっている。後半は雑誌「Hanako」に連載された「三都物語」の広告に掲載された脈絡のない短編小説となっている。前半はまだ読むことができたが、後半の少年を登場人物とした夢物語は受け付けられなかった。
Wikipediaで調べたところ、作者は学生時代に稲垣足穂の小説を読んでいたとのこと。高校時代に『一千一秒物語』を購入して読んだ記憶があるが、こちらの方も最後まで読むことができなかったと記憶している。

