澤登俊雄『少年法:基本理念から改正問題まで』(中公新書 1999)をぱらっと読む。
著者は國學院大学で長く教鞭を取られた研究者で、刑法・刑事政策、特に少年法を専門としている。そのため、特に1997年神戸連続児童殺傷事件以降強くなった少年犯罪への厳罰化の声に対し、丁寧に少年法の理念と保護手続きの解説、および少年犯罪の数値的な検証を試みている。刑事手続に関する話が中心だったので、ほとんど読み飛ばしてしまった。
最後に、著書は被害者感情や社会感情に配慮し、被害者救済制度が非行少年保護制度と同じ比重で議論され、内容が充実することが、少年法の理念を発展させるうえで重要となると述べている。