投稿者「heavysnow」のアーカイブ

『マークスの山』

高村薫『マークスの山』(早川書房 1993)を読む。
内部では一匹狼的な刑事同士の衝突、地検や公安とのもめごとを抱えながらも、外部に対しては一体感・一貫性が求められる警察機構のアンバランスな体制がうまく滲み出ている。ついつい引き込まれてしまう展開に睡眠時間を削りながらも読んでしまった。

『ナコイカッツィ』

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ゴッドフリー・レジオ監督脚本『ナコイカッツィ』を渋谷のユーロスペースへ観に行った。
最終日ということもあってかなり多くの観客がいた。時差ぼけが続いており眠いのを我慢しながらの鑑賞であったが、まあまあ楽しめた。この世のあらゆる営みがデジタルと戦争によって色付けられてしまう恐怖をコラージュ風の映像で紡ぎ出す。前々作の『コヤニスカッツィ』は一部に「映像叙情詩」とも評されたが、今作も、デジタルと戦争というものがいかに人間的な表情を奪い、人間性を破壊し、しかし人間の本能的な衝動を巧みに刺激するという本質を露にしている。

『十七歳』

井上路望『十七歳』(ポプラ社 1999)を読む。
当時神奈川県立座間高校3年生であった井上さんの日常に去来する思いを自由に語ったエッセーである。いじめや母親との確執などを通して「自分らしく生きることが大切」と極々当たり前のことを述べるのだが、妙に説得力があり感心してしまった。

『猛虎伝説』

上田賢一『猛虎伝説』(集英社新書 2001)を読む。
戦前から戦後にかけての阪神タイガースの軌跡を親近感交えて追っており、引いては戦後プロ野球の発展の歴史と重なっている。新聞やテレビでは、巨人阪神戦を「伝統の一戦」とよく表現するが、これまでその「伝統」の意味がぴんと来なかった。しかし、藤村、江夏といった名球会選手の現役の頃を眺めると、関西特有のアンチ巨人、アンチ東京の精神が体現されていることに気づく。

新婚旅行

昨日までイタリアとパリを巡る日本旅行主催のツアーに参加してきた。完全なパックツアーで参加したのだが、定番の観光スポットをもらすことなく見学でき、また食事もおいしく大変満足のいく旅行であった。


ローマ市内の落書き。反戦のメッセージなのか、単なる暴走族の落書きなのか判別することは出来ない。真ん中左側の、丸印にNのマークが気になるところである。


パリのルーブル美術館でのミロのヴィーナスの後ろ姿である。ミロのヴィーナスは前から見る20代、後ろから見ると40代というアンバランスな体型を持っている。確かに写真を見ると背中にたっぷりと肉がついている。。。


1789年7月のフランス革命の勃発の場所である、パリのバスティーユ牢獄跡の広場にて。

〈その他の写真〉

  

  

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