投稿者「heavysnow」のアーカイブ

『デジタル書斎の知的活用術』

夏の13冊目
杉山知之『デジタル書斎の知的活用術』(岩波アクティブ新書 2003)を読む。
デジタルハリウッドというCGやDTP、プログラミングの専門学校を経営する著者が、忙しい時間をやりくりするためのメールコミュニケーションやスケジュール管理、また映像や音楽、テレビ番組を全てデジタルで処理し活用するノウハウを紹介する。ノートパソコンのバッテリー管理やデータのバックアップなど、著者自身が実際に試行錯誤を経て日々行なっているデジタル活用術なので、大変分かりやすい。
「デジタル」というと人間の感覚を超えた漠然としたものに感じがちであるが、著者はCPU内蔵のレゴロボットを実際に動かしてプログラミングの難しさを実感したり、旧型の機械式ポラロイドカメラをいじることで、アナログな感覚を有する人間とデジタル世界のバランスを取ることが大切だと述べる。

詳細は杉山氏のブログを参照して下さい  sugiyama_style

『さらば外務省:私は小泉首相と売国官僚を許さない』

先日東京新聞(2007年8月3日付夕刊)を読んでいて、先の参議院選挙に「9条ネット」から立候補した元駐レバノン大使の天木直人氏の発言が気になった。天木氏は、2003年8月に当時の小泉純一郎首相へ米国主導のイラク戦争を支持しないよう意見具申した公電を送ったことで実質的な解雇処分を受け、外務省や政府の外交政策を実名を挙げて批判した人物で知られている。その天木氏は東京新聞の記事で次のように発言している。

憲法9条を守らなくてはいかんという強い思いを持ったのは外務省を辞めてからなんですよ。在職時は今の憲法を未来永劫変えないという考え方が果たして国際政治の中で通用するのかと思っていた。少なくとも攻めてきた時には戦わなくてはいかんじゃないか。そのためには軍隊は必要じゃないか。(中略)ところがよく考えてみると、現行の憲法を一字でも変えたら、果てしなく軍備拡大につながっていくのじゃないかと。(中略)特に今の日本の置かれている状況を見た時、アメリカが日本を守るというよりも世界征服のために自衛隊を使おうとしているとしか思えない。今のアメリカのテロとの戦いへの協力は拒否すべきだと思う。

つまり天木氏は憲法9条護持の一点突破こそが、米国追従の日本の政治の脱線を防ぐ求心点だと述べるのである。そしてそれを政策として立案するために参院選に立候補したということだ。

夏の12冊目
そこで、天木直人『さらば外務省:私は小泉首相と売国官僚を許さない』(講談社 2003)を読んだ。

折りしも、昨日付けの東京新聞朝刊に小沢民主党代表がテロ対策特別措置法について、「ブッシュ大統領は国際社会の合意を待たずに、米国独自で開戦した」と指摘し、「日本の平和と安全に直接関係のない地域で米国と共同の作戦はできない」とし、「米国の活動は国連で直接にオーソライズされたものではない」と延長に反対する意向を米国に伝えたという。世界の平和も外交も経済も国連中心主義がよろしく、国連お墨付きの平和活動であれば、9条に抵触しないといった解釈主義が小沢氏の持論であるが、この点については小沢氏はここ10数年あまりぶれていない。93年のPKOの頃では、小沢氏の見解は専守防衛を旨とした平和憲法の9条の精神を大きく逸脱するものだと批判を浴びたものである。しかい、ここ数年の小泉・阿倍内閣における米国盲信の日米同盟の錦の旗の下、テロ対策特別法や有事関連法、自衛隊派遣法の全てがまかり通ってしまう自民党ごり押し政治に比べると、まだ手続きを重視しているだけマトモに見えてしまう。

天木氏も指摘している通り、

CDラジカセ

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今夕、所用で近所のコジマデンキに出掛けた。帰りにオーディオコーナーをふらついていたところ、目についた本日限りの最安値の札のついたCDラジカセを購入した。前々から、子どもが数年後使えるような簡単な操作でありながら、ラジオやCDがまあまあの音で聞けて、マイク無しで声が録音でき、外部入力ができるラジカセが欲しいと思っていたところだったので具合が良かった。本当はMP3が再生できるともっと良かったのだが、6千円のラジカセにそこまで求めるのは現状では難しかろう。
家で「いないいないばあ」や「おかあさんといっしょ」を聞いているが、使いやすさと音の良さに、良い買い物をしたとほくそ笑んでいる。

『ゲームの名は誘拐』

夏の10冊目
東野圭吾『ゲームの名は誘拐』(光文社文庫 2005)を読む。
赤川次郎のように軽快な文体であり読みやすく、また、あっと驚く仕掛けも用意されており楽しく読むことができた。誘拐した被害者が逆に誘拐犯に協力する展開は、高校時代辺りに読んだ天藤真の『大誘拐』を彷彿させ、ワクワクドキドキだった。

『重力の達人:橋、トンネル、くらしと土木技術』

夏の11冊目
田中輝彦『重力の達人:橋、トンネル、くらしと土木技術』(岩波ジュニア新書 1998)を読む。
技術論に始まり、確認の実験、文明論、社会批評、果ては歴史文献や小説の引用まで話しが多岐に及び、少々読みにくい内容であるが、著者の土木技術にかける思いがその分だけ伝わってくる。
前半は重力の断面係数や膨張、慣性の法則といった基本的な物理の理論を紹介し、後半はそうした理論を応用した橋やダム、港などの土木技術の粋を分かりやすく解説する。そして、土木技術こそが文明社会を形成してきたし、これからも自然災害から都市を守るために、社会資本を投入し公共施設を建設する意義を熱く語る。
著者は執筆当時鹿島建設の社員であり、鹿島建設が受注した関西国際空港や明石海峡大橋、浜名大橋などに盛り込まれた技術が素晴らしいと自賛してしまうのはご愛嬌か。