『模倣犯』

今日、春日部文化劇場という春日部東口にある古い映画館に、森田芳光監督・中居正広主演『模倣犯』という映画を観に行った。
古くからある小さい映画館で私が切符を買おうと窓口に赴くと、中でおばあちゃんが一人昼寝をしていた。中へ入ると石油ストーブが焚いてあり、観客も7人しかいなかった。正直内容的にはありきたりな作品でさして述べる点はない。しかし殺人シーンを携帯電話でライブ中継するといった現代的な劇場型犯罪や、トラウマを抱えた犯人の独白など映画というジャンルでは難しい表現をうまく演出していた。

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『GO』

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行定勲監督、窪塚洋介・柴咲コウ主演『GO』(東映 2001)をレンタルで観た。
原作を読んでいないので、確かなことは言えないが、テーマが浅いと感じた。窪塚洋介演じる在日の3世、4世の世代の若者が、北と南の政治摩擦に翻弄される中、自分は自分というアイデンティティを獲得していくという青春映画である。在日問題を軽視するわけではないが、1世、2世ならともかく4世の世代が日韓の狭間で「俺は俺!」と叫んだところで、単なる青年の主張になってしまう。もうすこし政治的な主張を加えるならば更なる掘り下げが必要であるし、青春映画にしたいならばもっとはちゃめちゃなエネルギーを主人公に与えなければならない。その意味でテーマを追いすぎて、中途半端な映画になってしまったのは残念だ。

『ウォーターボーイズ』

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先日、矢口史靖監督『ウォーターボーイズ』を観た。
金のかかっていない映画であった。今どきの男子高校生が、すったもんだの揚げ句、最後に努力が実を結んで、ハッピーエンドという先が見えるつまらない展開なのだが面白かった。受験を控えた男子高校生という設定が、今どきの作品にはない新鮮さとさわやかさを観客に与えたのだろう。