『オートバイの科学』

島英彦『オートバイの科学』(講談社ブルーバックス)を読む。
空冷単気筒SOHCエンジンを積んだバイクの車体の改造についての話である。私もかつてカワサキのZZRー400というバイクに乗っていたことがあるが、水冷4気筒DOHCのエンジンの整備の煩雑さには手を焼いた。その後、今から4年前に現在のバイクを購入する際は、とにかく整備のしやすいものという反省から、空冷単気筒SOHCエンジンを積んだホンダのXRーBAJAというバイクを選んだ。外から見てもカムシャフトの位置が手に取るように分かる空冷エンジンこそバイクの原点だと思うのだが、近年大型スクーターの流行もあってか、フェアリングの奥にエンジンが隠れてしまって、ブラックボックスになってしまっているのは悲しい。

90_zzr400

ところで、ホンダの創設者である本田宗一郎が空冷にこだわった話は有名である。詳細は忘れたが、エンジンの高機能化に伴って、ホンダにおいても水冷エンジンの開発に取り組まざるを得ない時に、空冷のこだわる本田宗一郎が砂漠の真ん中でエンストしたらどうするんだ、と強固に反対し水冷化を推し進める部下を辞めさせたことがあったらしい。しかし次の日、本田宗一郎自身水冷の良さを認め、部下を復職させたというのだ。しかし現在でもカブやオフロード車を中心に、ホンダは昔ながらの空冷単気筒エンジンのバイクをラインナップさせている。排ガス規制等厳しいと思うが、私が貯金をためてXR600を買うまでは水冷化は待ってほしい。

現在も年に3・4度は近所のレッドバロンというバイク屋に出掛けるが、あのオイルの匂いが漂っている空間にいると気持ちがうずうずしてくる。先日もカブのエンジンを積んだモンキーやゴリラの亜種であるホンダのエイプというバイクにまたがってみた。これで東北の獣道をコンパス片手に探索したら楽しいだろうなと思いながら静かにアクセルを回した。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください